台風19号 旅館・ホテルの被害248軒 キャンセルも多発


 東日本を中心に大きな被害を与えた台風19号。旅館・ホテルの被害は13県で248軒に上り、鉄道や道路もいまだ運休、不通の区間がある。主な温泉地で大きな被害は報告されていないが、風評による予約のキャンセルが多発している。

 国土交通省の台風19号の被害集計(23日時点)によると、旅館・ホテルの浸水、屋根破損、雨漏りなどの被害は13県の248軒となった。県別では静岡県が142軒、神奈川県が35軒、三重県が15軒、愛知県が13軒、山形県が8軒、福島県が7軒、宮城県と長野県が各6軒、福井県が5軒、岩手県が4軒、千葉県が3軒、岐阜県が3軒、新潟県が1軒。

 JR東日本は18日、北陸新幹線の東京―金沢間の直通運転を10月25日に再開する見込みと発表した。台風19号に伴う被害で長野―上越妙高間の運転を見合わせているが、復旧作業、安全確保の見通しが立った。

 車両の浸水被害で限られた車両数で運行するため、北陸新幹線の列車本数は通常の約8割となるが、東京―金沢間の直通列車については約9割の運転本数を確保する。具体的なダイヤは10月23日に発表予定。

 台風19号の被害について観光庁の田端浩長官は、17日の専門紙会見で「まずは復旧を急ぐ。観光地への鉄道、道路などのアクセスが大きく影響しているので、交通事業者、道路管理者、政府を挙げて復旧に取り組んでいる。その後は観光で訪れてもらうことが地域の元気付けになるので、官民を挙げて需要喚起をしていきたい」と述べた。

 堤防の一部が決壊した千曲川沿いにある戸倉上山田温泉(長野県千曲市)のキャラバンは17日、東京の観光経済新聞社を訪問。現地の状況について「旅館・ホテルや温泉施設への被害はなく、通常通り営業している」と強調した。堤防が決壊した長野市穂保地区と同温泉は約35キロ離れている。

 ただ、宿泊予約のキャンセルが、台風が上陸する前の10日宿泊分から発生。11月までかなりの売り上げ減少が見込まれるという。

 長野県ホテル旅館生活衛生同業組合は15日、理事長、副理事長、専務理事による三役会を開き、今後の対応を協議。組合員旅館・ホテルのキャンセル状況の調査や、県との災害協定に基づく被災者の受け入れについて話し合った。

 
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