鹿児島県南九州市の「知覧特攻平和会館」が保有する太平洋戦争中の特攻隊員の遺品などについて、ユネスコの世界記憶遺産への登録を目指している同市の霜出勘平市長らが13日、東京の日本外国特派員協会で記者会見した。霜出市長は目的について「特攻を賛美、美化することではない」と繰り返し、「二度と戦争を繰り返さないために申請する」と強調した。
申請物件の主な構成は、第2次世界大戦終戦直前の1945年、同市(旧知覧町)から沖縄戦に特攻出撃して死亡した特攻隊員の遺書や特攻隊員と交流のあった人物の真筆の関連資料など。
6月に日本ユネスコ国内委員会に申請する方針で、2017年にユネスコ世界記憶遺産への登録を目指す。
南九州市役所世界記憶遺産推進室の桑代睦雄参事兼係長は知覧特攻平和会館について「年間55万人、外国人は1万人来館している。平和学習に年間620校が訪れ、戦争の恐ろしさと平和について学ぶ場となっている」と述べ、「申請資料は近代総力戦の恐ろしさを伝える希有の資料。二度と戦争が起こらないよう伝えなければならない」と申請の意義を力強く語った。
右から霜出市長、桑代参事兼係長