千葉県の観光客数、09年は約3%増の1億5千万人


 千葉県の2009年(1〜12月)の観光入込客数は、前年比2.9%増の延べ1億5215万5千人となった。東京湾アクアライン料金の割引社会実験が増加要因の1つとみられる。延べ日帰り客は3.6%増の1億3640万6千人に伸びた。延べ宿泊客は3.4%減の1574万9千人にとどまったが、観光圏整備法に基づく南房総地域観光圏を形成する安房エリア(館山、南房総、鴨川、鋸南の3市1町)では前年を上回った。

 アクアラインの社会実験は09年8月から。ETC搭載の普通乗用車の場合、通常料金は3千円で以前から休日、深夜などに特別割引があったが、平日、休日ともに終日800円になった。東京、神奈川方面からの旅行者に割安感がある。

 観光入込客をエリア別でみると、東京湾アクアラインのパーキングエリア「海ほたる」の集客を含む君津エリア(木更津、君津、富津、袖ヶ浦の4市)が10.6%増の1496万7千人と伸び幅が大きい。安房エリアも7.3%増の1265万2千人に伸びた。

 他のエリアは、東京ディズニーリゾート(TDR)を含む東葛飾エリアが5.0%増の5740万1千人。幕張メッセなどがある千葉エリアは0.6%減の2278万1千万人。TDRの新イベントの人気、隔年開催の「モーターショー」が幕張メッセで開催されたことなどがそれぞれの客数を押し上げた。成田山新勝寺などがある印旛エリアは増減なしの1850万3千人だった。

 宿泊客は、景気の低迷や新型インフルエンザの影響などが大きく、微増となった安房エリア以外の9地域すべてで前年数値を割り込んだ。需要が大きいエリアでは、東葛飾エリアが2.4%減の676万3千人、印旛エリアが7.3%減の255万1千人、千葉エリアが2.4%減の214万3千人。

 安房エリアは、0.3%増の204万7千人だった。アクアラインの料金割引の効果のほか、南房総地域観光圏として広域で滞在型観光の確立を進めており、千葉県商工労働部観光課では「全国的に宿泊旅行をとりまく環境が厳しい中で微増になったことは、観光圏の取り組みが実を結んでいるのではないか」と指摘している。

 秋の大型連休「シルバーウイーク」があった9月は、前年同月との比較で入込客数が17.4%増、宿泊客が0.2%増。入込客数は月別で9月の伸び幅の最も大きかった。宿泊客は微増にとどまったが、前年を上回った月は9月のほか、1月と3月しかなかった。

 宿泊客のうち外国人は14.7%増の155万1千人だった。外国人の宿泊は、印旛、千葉、東葛飾の3エリアに9割以上が集中。印旛エリアが11.2%減、千葉エリアが30.6%減、東葛飾エリアが33.1%減。宿泊客の国・地域別構成比は中国と北米がそれぞれ25%で、このほか台湾11.2%、欧州7.0%、香港4.3%、韓国2.7%だった。

 
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