北海道観光局はこのほど、市町村や観光協会、DMO(観光地域づくり推進法人)、観光事業者らが地域の現状に即した観光事業を展開できるよう、事業構築のプロセスを体系化し、データ分析やマーケティングに基づく戦略の策定と事業化の進め方などをまとめた「観光で稼ぐ!ための手引書」を作成した。
副題を「観光消費の拡大と域内経済への波及をめざして」としており、事業構築のプロセスの中で、単に見聞きしたエピソードに頼るのではなく、多角的なデータの分析などによる効果的な取り組みを促進し、地域経済と地域の活性化につなげていくのが狙い。
道観光局では、昨年度、室蘭市や名寄市など4市町を対象として新たな事業戦略を策定するモデル事業を実施しており、その検討過程を踏まえながら今回の手引書をまとめた。
事業構築のプロセスを(1)地域内の関係者による会議体の設立(2)現状把握に向けたデータの収集・分析(3)地域資源・コンテンツの整理と評価(4)目標の設定(5)戦略の方向性とターゲットの明確化(6)事業の具体化(7)効果の検証・改善―という七つのステップに分類。各ステップでの検討事項や進め方などを具体的に説明し、4市町での実例も紹介している。
併せて、各地域が各種統計を使って実施した観光事業の経済波及効果を算出・検証できる分析ツールの検討も行い、別冊として作成した。
道観光局では、手引書と分析ツールを誰もが利用できるようホームページで公開しているが、今後、各種セミナーや会議の場での説明や周知に力を入れ、市町村や観光関係者らの理解と活用を広げていくことにしている。