6日未明、北海道で最大震度7の地震が発生。震源地の胆振中東部を中心に大規模な土砂崩れや家屋の倒壊など甚大な被害が発生した。道内の全295万戸が停電するブラックアウトや、断水、交通機関の運休、通信の混乱も発生し、観光を含めた北海道の経済全般に大きな影響を及ぼした。
北海道ホテル旅館生活衛生同業組合によると、組合員旅館・ホテル約750軒に建物の倒壊など大きな被害はない模様。ただ、通常営業をしている施設も多くの宿泊キャンセルが発生しているという。同旅組は現在、組合員の詳しい被害状況を確認中だ。
北海道内の旅館・ホテルはホームページなどで施設の営業状況を伝えている。野口観光は9日、「緑の風リゾートきたゆざわ」「新苫小牧プリンスホテル『和』」など4館の営業を再開し、グループ全施設が通常営業中。
鶴雅グループも道央地区を含めたグループ13施設が全て通常営業している。
ドーミーインの北海道内12施設は新規の予約受け付けを10日に再開。大浴場の営業時間短縮など、一部サービスを限定して営業している。
◇ ◇
全道76カ所の避難所には10日時点でおよそ2700人が避難している。ただ、行政や関係機関の取り組みでライフラインが徐々に回復。道民生活も落ち着きつつある。
そうした中で、「がんばろう北海道」の意思を込め、全道各地の秋の味覚を集めた「さっぽろオータムフェスト2018」が今月、札幌市中心部の大通公園をメイン会場に開催される。
実行委員会は地震の発生で中止を検討したが、当初の期間を短縮して開催することを決めた。期間は9月15日から30日の16日間を予定。大通公園のほか、道庁前の赤レンガプラザと創成川エリアを特別会場に開催する。
実行委員会の今井啓二事務局長(札幌観光協会専務理事)は、「道内各地の力を結集して元気な北海道を情報発信したい。全国の多くの人に訪れてほしい」と話している。