
新年恒例の「入初式」
兵庫県・有馬温泉の新春行事「有馬温泉入初式」が2日、神戸市の有馬小学校講堂で行われた。温泉の繁栄などを祈念する儀式のほか、有馬の芸妓衆が扮した湯女が練行列や湯もみなどを華やかに披露した。
入初式は江戸時代から約300年続くもので、有馬温泉を発見したと伝えられる大己貴命、少彦名命をはじめ、天災などで被害を受けた有馬温泉を再興させた行基菩薩、仁西上人への報恩と、温泉の繁栄を祈念する目的で行われる。神戸市地域無形民俗文化財にも認定されている。
儀式は神式と仏式の両方で行う。湯泉神社の大己貴命の御神体と温泉寺に伝わる行基、仁西の像を輿に乗せ、神官、僧侶、旅館の主人、有馬芸妓の扮する湯女たちが、温泉寺から有馬小学校まで練り歩いた。
また、白衣赤袴の湯女連が太鼓の囃子で、初湯をもんで適温にさます、湯もみ行事を行った。
入初式後には、昔の「一の湯・二の湯」にあたる温泉入浴施設「金の湯」入湯が開始された。
當谷正幸・有馬温泉観光協会会長は「今年は観光業界では観光元年と位置付けられている。有馬も温泉の力で誘客に努めたい。特に情報発信を強化していく」と話した。

新年恒例の「入初式」