結婚式場を運営する八芳園(東京・白金台)は8月22日、来年2月から全館休館し、10月1日にグランドオープンすると発表した。リニューアル後はブライダル、イベント、フードの3事業を主力とし、訪日外国人の取り込みも狙う。
井上義則社長が100周年(2043年)に向けた新事業・ビジョンについて、関本敬祐取締役総支配人がリニューアル計画を説明した。
リニューアルのコンセプトは「日本の、美意識の凝縮」を掲げ、その象徴となるメインロビーは全面改装し、水墨画家・小林東雲氏、福岡県大川市の組子職人・木下正人氏、木工職人・西田政義氏のコラボにより、新たなロビーを創り上げる。
訪日外国人の増加による需要が増えているが、現在、150人以上で利用できる宴会場が不足。カバーするため15ある会場を11にする。一つの会場あたりの収容人数を増やすことでMICE需要を取り込む。
また、メインエントランスはバスの発着がしやすいようスペースを拡張。上層階への直通エスカレーターや日本庭園を眺めることができるデッキスペースを設ける。
グランドオープンを機に、館内全てのメニューを一新する。ムスリム専用キッチンの新設、本館3階にはオールダイニング「FUDO 風土」も設ける。25年春開業予定の高輪ゲートウェイシティにも進出。8月に「割烹 BUTAI」、10月に「八芳園洋菓子店」をオープンする。
井上社長は、日本が真の観光立国になるための新しいまちづくり事業として、「八芳園エリアプロデュース」に力を入れるとした。全国各地にある歴史的建造物や庭園などの文化資産をイベント施設として活用することを強調。各地のまちづくり事業責任者を採用する考えも示した。
リニューアル後のメインエントランス(八芳園提供)