国の文化審議会はこのほど、京都市の八坂神社本殿を国宝、千葉県銚子市の犬吠埼灯台など18件を重要文化財に指定するよう文部科学相に答申した。答申通り告示されれば、建造物の国宝・重文は2523件・5241棟（うち国宝は228件・291棟）となる。
八坂神社は疫病退散を祈願する祇園信仰の総本社で、現在の本殿は徳川4代将軍・家綱により、承応3（1654）年に建立された。入母屋造りで、両側面と背面に庇(ひさし)をつけた独特の外観が特徴。平安時代の建築方式を継承しており、高い価値があるとされた。「祇園祭を担う人々によって現在まで維持されてきたのは深い文化史的意義が認められる」という。
犬吠埼灯台は英国人技師の指導で建設され、明治7（1874）年に初点灯された。北大西洋航路のための最初の灯台として歴史的価値は高い。六連島、角島、部埼の各灯台と合わせて、海上保安庁が管理する現役灯台として、初の重文指定となった。
犬吠埼灯台以外の建造物は次の通り（追加指定2件を除く）。
旧札幌控訴院庁舎（札幌市）▽明治神宮（東京都渋谷区）▽旧神奈川県立近代美術館（神奈川県鎌倉市）▽旧山岸家住宅（石川県白山市）▽旧中村家住宅（長野県塩尻市）▽坂戸橋（長野県中川村）▽八勝館（名古屋市）▽紅葉谷川庭園砂防施設（広島県廿日市市）▽六連島灯台（山口県下関市）▽角島灯台（同）▽犬伏家住宅（徳島県藍住町）▽部埼灯台（福岡県北九州市）▽旧伊藤家住宅（同飯塚市）▽西海橋（長崎県佐世保市・西海市）▽旧綱ノ瀬橋梁及び第三五ヶ瀬川橋梁（宮崎県延岡市・日之影町）
