全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連、佐藤信幸会長=山形県・日本の宿古窯)は2月20日、東京の都道府県会館で理事会を開き、6月13日の総会(岡山県倉敷市・鷲羽ハイランドホテル)に提出する議案を審議した。24年度事業計画では、東日本大震災被災地復興支援事業の実施や、今年の全国大会(6月14日、岡山市・岡山コンベンションセンター)で復興支援にかかわった功労者を表彰するなど、震災に関する新たな項目を設けた。
被災地復興支援は地域活性化への取り組みの一環で実施。具体的内容は今後詰めるが、項目として追加した。地域活性化ではほかに、外国人宿泊客の受け入れなどインバウンド対策も取り組む。
「組合員施設の経営改善への取り組み」「入湯税の使途の限定」「地熱発電への対応」「旅館業法の現状に即した見直し」なども追加した。旅館業法の見直しでは、5室未満の施設は業法上、簡易宿所扱いだが、小規模高級旅館が増えているため、実態に即した見直しができないか検討する。
来年の25年度全国大会は山梨県の開催を予定。
このほかNHKから委託を受けている組合員施設の放送受信料の取りまとめについて、NHK側からの契約改定案が報告された。案では、県組合に支払われる受信料収納業務の受託手数料率が従来の一律15%から、組合員施設の契約参加率に応じて14%、14.5%、15%の3段階に分けられる。佐藤会長は、旅館・ホテル業界の不利にならないよう、与党観光振興議員連盟の川内博史会長と協議すると述べた。
佐藤会長はこのほか、原発事故による風評被害の賠償問題や、消費税額の表示問題に言及。賠償問題では、原子力損害賠償紛争審査会の中間指針に示された4県(福島、茨城、栃木、群馬)と千葉県沿岸部に加え、先に山形県米沢市が賠償の対象地域とされたが、さらに追加するよう関係省庁に働きかけている現状を報告した。
消費税額の表示問題では、商品価格と消費税額を加えた「総額表示」では、中小企業の多くが税額を消費者に転嫁できず、企業側が負担を余儀なくされているとして、将来の消費税率引き上げをにらみ、「外税化」を求める考えを示した。
佐藤会長