全旅連、初の「環境づくり宣言」


 全国旅館生活衛生同業組合連合会(全旅連、佐藤信幸会長=山形県・日本の宿古窯)は18日、山形県上山市の上山市体育文化センターで第86回全国大会を開いた。全国の旅館組合員約1200人が登録、参加。主催者と来賓あいさつ、生活衛生営業の振興に貢献した組合員などへの表彰に続き、旅館業界の組織強化や経営の安定に向けた大会宣言と決議を採択。さらに今年は全旅連の創立50周年を記念して、優良従業員の表彰と、地球温暖化の防止に向けた「環境づくり宣言」を初めて行った。

 物故者への黙祷、佐藤佐次右衛門・大会実行委員長(山形県・たちばなや)の開会あいさつに続き、あいさつに立った佐藤会長は、14日発生した岩手・宮城内陸地震の被災者に見舞いの言葉を述べたあと、「観光立国推進基本法や観光庁の制定、設立で観光の未来は明るいが、現実は厳しい。観光白書によると、国民ひとりあたりの年間宿泊数は2.47泊。前年比9.2%減少した。国民の宿泊が増えなければ我々業界の活性化はない。宿泊客を増やすための対策を全国各地で行わねばならない」と強調。宿泊客増大に向けた取り組みを各地で行う必要性を説いた。

 来賓から、岸宏一・厚生労働副大臣、花角英世・国土交通省観光事業課長があいさつ。地元から後藤靖子・山形県副知事、横戸長兵衛・上山市長が歓迎のあいさつを行った。

 表彰は例年の厚生労働省健康局長表彰、全国生活衛生同業組合中央会理事長感謝状、全旅連会長表彰に続き、創立50周年を記念して組合員の優良従業員を初めて表彰した。470人の受賞者を代表して宮城県・ホテル佐勘の山田清氏が佐藤会長から表彰状を受け取った。

 このほか高齢者、障害者などすべての人に優しい活動を行っている事例を顕彰する「第11回人に優しい地域の宿づくり賞」の表彰を行い、厚生労働大臣賞の福山ホテル支配人会(広島県)、全旅連会長賞の伊香保温泉旅館協同組合(群馬県)、選考委員会賞の前橋旅館ホテル協同組合(群馬県)に表彰状を授与。観光経済新聞社社長賞を受賞した稲取温泉旅館協同組合(静岡県)には江口恒明本社社長から表彰状を手渡した。

 「明日の活力を育む宿泊産業の担い手としての誇りをもって、経営の安定と活性化に努める」などとする大会宣言と、「金融問題を解決し、旅館の再生促進を期す」など12項目からなる決議文を澤田克司・岩手県旅館ホテル生活衛生同業組合理事長(宮古ホテル沢田屋)、佐藤勘三郎副会長・宮城県ホテル旅館生活衛生同業組合理事長(ホテル佐勘)がそれぞれ朗読。

 さらに創立50周年を記念して、「地球温暖化防止に向け、人に優しい環境づくりに積極的に取り組む」とする環境づくり宣言を野口秀夫副会長・北海道ホテル旅館生活衛生同業組合理事長(登別石水亭)が読み上げ、拍手で採択された。

 続いて次年度の大会開催地の大分県の旅館組合員が登壇。「湯の町別府でお待ちしています」と上月敬一郎・大分県旅館ホテル生活衛生同業組合理事長(おにやまホテル)らが呼びかけた。

 
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