全旅連、「感染防止対策マニュアル」作成 全組合員に送付


完成したマニュアル(表紙)

ガイドラインを抜粋、分かりやすく構成

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連、多田計介会長)はこのほど、「旅館ホテルにおける新型コロナウイルス感染防止対策マニュアル」を作成。全国約1万6千軒の組合員施設に送付を始めた。宿泊業界が5月に作成した「宿泊施設における新型コロナウイルス対応ガイドライン」の内容を抜粋し、イラストを多用するなど分かりやすく構成したもの。従業員ら誰もが理解できるように工夫している。新型コロナの新規感染者数が全国的に再び増加し、第3波の襲来といわれる中、マニュアルを活用して施設での感染防止を徹底したい。

 マニュアルはA4判オールカラー、全16ページ。元厚生労働省仙台検疫所長で医師、健康予防政策機構代表の岩﨑惠美子氏が監修している。

 「新型コロナウイルス感染対策の基礎知識」「行政が推奨する消毒・除菌手法」「宿泊施設の感染対策」の3章で構成する。第1章の基礎知識では、新型コロナウイルスの感染経路や感染予防のポイントを解説。ウイルスは人との会話や咳、くしゃみによる飛沫や、ドアノブなどの接触により感染し、予防には従事者の健康管理、適切な手洗い、器具機材の洗浄・消毒といった、従来の食中毒やインフルエンザ感染予防対策が有効なほか、密閉、密接、密集の「3密」対策の実施が必要とした。

 第2章では、厚生労働省、経済産業省、消費者庁の各省庁が推奨する手指や物の消毒・除菌手法を解説。手指への対策では、流水による15秒の手洗い、石けんによる10秒のもみ洗いと流水による15秒のすすぎで相当数のウイルスを減らせるほか、濃度70%以上95%以下のエタノール(アルコール)が有効とした。

 第3章の宿泊施設の感染対策では、施設のシーンごとに対応を詳しく記している。入館時は人の検温と健康状態の確認。客室の清掃では次亜塩素酸ナトリウムまたはアルコールを使ってのドアノブやリモコン、テーブルなどの清拭消毒。大浴場は入場人数の制限や貸しタオルの中止。食事どころでは入場人数と滞在時間の制限や横並び着席の推奨。料理はビュッフェスタイルからセットメニューへの変更を検討するほか、ビュッフェの場合は「料理を小皿に盛って提供する」「スタッフが料理を取り分ける」などの工夫が必要とした。

 マニュアルは全旅連本部から全国約1万6千軒に5冊ずつ直送。今月20日までに全ての施設に届く予定だ。全旅連の公式ホームページ「宿ネット」にも掲載し、誰もがダウンロードできるようにする。

 全旅連は、宿泊客に向けた新型コロナウイルスの感染を防止するための「新しい宿泊のエチケット」のポスターとチラシ、卓上ポップもこのほど作成し、マニュアルとともに全国の組合員施設に送付した。

 「人前で、マスク着用、エチケット」「大浴場、静かにゆっくりいい湯だな」「手洗いと手指消毒で、安心ステイ」など、観光事業者団体などで組織する旅行連絡会が考案した「新しい旅のエチケット」のうち、宿泊施設で求められる行動を、イラストを交えて紹介している。

卓上ポップ

完成したマニュアル(表紙)

 
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