帝国データバンクによると、今年5月の全国企業倒産(負債1千万円以上の法的整理)は1013件で、前月比14.6%、前年同月比5.1%、それぞれ増加した。前年同月を上回るのは3カ月ぶり、1千件の大台を超えるのは2カ月ぶりとなる。小売や運輸などの内需型業種を中心に増加が目立ち、製造業は1年4カ月ぶりに前年同月比で増加した。
負債総額は2540億8900万円で、前月比40.3%、前年同月比7.8%、それぞれ増加した。
倒産件数を業種別にみると、7業種中、6業種で前年同月を上回った。このうち製造業は141件で、同5.2%増。
小売業(204件、同28.3%増)、運輸・通信業(41件、同17.1%増)もそれぞれ増加。
サービス業は同1.1%増の188件。
建設業は237件で、前年同月比11.2%減。7業種で唯一、前年同月を下回った。震災復興需要が大きく、東北を中心に、7カ月連続で前年同月比減少した。
地域別では、9地域中、6地域で前年同月比増加した。
このうち中国(47件、同38.2%増)、九州(74件、同13.8%増)、近畿(247件、同12.3%増)の3地域は2ケタの大幅増。半面、東北(29件、同46.3%)は大幅減だった。
倒産の規模別では、負債5千万円未満が構成比53.8%で、2カ月ぶりに50%を上回った。一方、負債100億円以上の大型倒産は2件にとどまり、大型倒産の沈静化が続いている。
資本金別では、個人経営と資本金1千万円未満が構成比55.5%と半数以上を占めた。消費低迷を受けて、小売、サービスを中心に、中小零細企業の倒産が増加している。