帝国データバンクによると、２０１７年度（２０１７年４月～２０１８年３月）の全国企業倒産（負債１千万円以上の法的整理）は８２８５件で、前年度比１・６％増（１３２件増）と９年ぶりに増加した。ただ、３年連続の８千件台で、２年前の２０１５年度比で１・５％減と低水準で推移している。負債総額は１兆６９３４億７５００万円で、同１３・０％減（２５３０億４千万円減）と３年ぶりに減少した。
件数を７の業種別に見ると、４業種が増加、３業種が減少した。このうちサービス業は６・０％増の１８８０件と、２年連続で増加した。「旅館、その他宿泊所」（８２件、７・９％増加）、「広告・調査・情報サービス業」（５９７件、７・６％増加）などが増加。「教育」（１３件、３１・６％減）、「娯楽業」（８７件、２６・３％減）などが減少した。
小売業は３・８％増の１８１５件と、６年ぶりに増加した。個人消費の伸び悩みや原材料などのコスト負担の増加を背景に、「飲食店」（７０１件、２２・８％増）が大幅に増加した。
このほか増加は不動産業、建設業。減少は卸売業、運輸・通信業、製造業。
９の地域別では５地域が増加、４地域が減少した。このうち中部（１２６８件、５・９％増）は２年連続、近畿（２１５９件、６・９％増）は９年ぶりに増加した。
関東（３００７件、４・１％減）は８年連続、九州（５２６件、４・２％減）は６年連続で減少した。九州は災害復興需要があり、建設業、製造業などで減少した。
件数減も負債大幅増 ３月単月の倒産
帝国データバンクによると、３月単月の全国企業倒産（負債１千万円以上の法的整理）は７６０件、負債総額は３４８９億５９００万円だった。
件数は前年同月比５・８％減と２カ月連続で減少。ただ、前月比では２７・５％増加した。
負債総額は前年同月比１０５・８％増、前月比２９３・２％増と、ともに大幅に増加した。磁気健康器具販売のジャパンライフが負債２４０５億円で破産。負債総額の約７割を占めた。
件数を業種別に見ると、７業種中４業種が前年同月比で減少、３業種が増加した。
このうちサービス業は２・７％減の１７７件と、２カ月連続で減少した。
観光関係の主な倒産は、温泉旅館経営の旅館大丸（新潟県、破産、負債５億７４００万円）が報告されている。
