帝国データバンクによると、09年1年間(1〜12月)の全国企業倒産(集計対象=負債額1千万円以上、法的整理による倒産)は1万3306件で、前年比4.9%増加し、3年連続の増加となった。急速な景気悪化により、製造業、不動産業の倒産が年前半に多発した。一方、負債総額は6兆8101億4700万円で、同42.8%減。大型倒産の減少などで前年を大きく下回った。
倒産件数の月別推移をみると、年前半は増加が続き、6月は同社が倒産の集計基準を法的整理のみに変更した05年以降で最多となる1294件を記録。ただ、9月以降は4カ月連続で前年同月を下回るなど、年後半は減少に転じた。
業種別では、7業種中5業種が前年比増加した。このうち製造業(2084件)が同21.9%の大幅増。減産の影響を受け、年前半に倒産が多発した。不動産業(488件)も同13.8%増と増加が目立った。業界環境の悪化が続き、マンション分譲業者の倒産が56件と、倒産集計基準変更後の最多となった。
半面、建設業(3441件、同0.1%減)、小売業(2172件、同1.5%減)の2業種は前年を下回った。建設業は公共工事前倒し発注の効果もあり、7月以降6カ月連続で前年割れとなった。
主因別では、販売不振などの不況型倒産が1万833件で、前年を8.4%上回った。倒産全体に占める構成比は81.4%で、前年の78.8%を上回り、初の80%台となった。
倒産企業の4社に3社が販売不振だった。緊急保証制度の利用が進むも、厳しい収益環境は改善しなかった。
地域別では9地域中5地域で前年を上回った。いずれも倒産集計基準変更後の最多件数。中でも中部は前年比21.2%の大幅増となった。北海道、東北、中国、九州の4地域は前年を下回った。中部は製造業が同53.1%の大幅増。地方圏は公共工事前倒し発注の効果が浸透し、建設業の倒産が年後半に減少した。