帝国データバンクはこのほど、全国企業の景気動向調査の2月分を公表した。同月の景気DI(0~100、50が判断の分かれ目)は前月比0.9ポイント減の47.2と、3カ月連続で悪化した。業種別では旅館・ホテルが同0.7ポイント減の44.2と、2カ月連続で悪化した。
国内景気の現状について同社は「中国向け輸出の減速や自動車関連の低迷に加え、人手不足やコスト負担増も悪影響を及ぼし、後退局面入りの兆しが見られている」とコメント。今後については「消費税率引き上げ後の消費落ち込みや海外リスクの高まりが懸念され、不透明感が一層強まっている」としている。
DIを10の業界別に見ると、「その他」を除く9業界が悪化した。
旅館・ホテルを含めた「サービス」は同0.7ポイント減の51.7と、3カ月連続で悪化。サービス15業種のうち、上昇は飲食店、教育サービスなど4業種にとどまった。
「製造」は同1.3ポイント減の45.8と、3カ月連続で悪化。輸送用機械・器具製造は中国市場などの自動車販売減速を背景に、部品や付属品の出荷量が落ち込んだ。
全51業種のうち、上昇は11業種にとどまった。
10の地域別では、北海道と四国の2地域が改善。ほかの8地域が悪化した。
規模別では、大企業が同0.8ポイント減の49.8と、2カ月連続で悪化。中小企業が同0.9ポイント減の46.5と、3カ月連続で悪化。小規模企業が同0.5ポイント減の46.5と、2カ月連続で悪化。2カ月連続で全ての規模が悪化した。
企業の景況感で、主な回答は次の通り。
「春節のインバウンド効果が好材料」(現在、良い、旅館)。
「インバウンドの影響により来道者が多かったことが寄与」(現在、良い、リネンサプライ)。
「ラグビーワールドカップや東京五輪を控えて、訪日需要の延伸に連動して需要が増大」(現在、良い、旅行代理店)。
「消費税率引き上げ前の駆け込み需要どころか、引き上げ後の不況に備えた買い控えが既に始まっている」(現在、悪い、一般乗用旅客自動車運送)。
「ラグビーワールドカップや東京五輪に伴う整備の進行と、インバウンドの増加を期待」(先行き、良い、旅館)。
「4月から変わる入管法で、外国人に関係する部分がどうなるか分からないため、先行きが見通せない」(先行き、どちらでもない、労働者派遣)。
「ラグビーワールドカップや2020年の五輪などの国際スポーツ大会が予定されており、期待したいが、地方でどれだけの人が旅行会社を通じて観戦に行くかは不明」(先行き、どちらでもない、旅行代理店)。