帝国データバンクはこのほど、全国企業対象の景気動向調査の6月分を公表した。それによると、同月の景気DI(0〜100、50が判断の分かれ目)は前月比0.3ポイント増の46.5と、3カ月ぶりに改善した。「消費増税による影響は和らぎ、景気は再び上昇する兆しが表れた」と同社では話している。業種別では、旅館.ホテルが同2.3ポイント増の47.5と、2カ月連続で改善した。
調査は全国企業2万3118社に行い、1万571社から有効回答を得た。
DIを10の業界別にみると、7業界で前月比改善した。このうちサービスは同0.5ポイント増の50.6。
旅館.ホテルほか、企業や消費者のコスト削減意識が強く、格安の通信サービスへの需要が高まった「電気通信」(4.2ポイント増の50.0)、「医療.福祉.保健衛生」(1.3ポイント増の47.9)など、15業種中10業種で改善した。
小売は同0.5ポイント増の37.8。消費増税後の落ち込みから2カ月連続で改善したが、改善幅は小幅にとどまった。百貨店やスーパーなどの「各種商品小売」(1.7ポイント増の45.0)は増税の影響から回復しつつあるが、「飲食料品小売」(前月と同水準の40.8)などは消費者の節約意識の高まりによる客足の伸び悩みがあり、「消費税ショックからの回復はまだら模様が続いている」(同社)。
運輸.倉庫は同1.2ポイント減の45.1と、3カ月連続で悪化した。
10の地域別では、6地域が改善した。このうち九州は同0.7ポイント増の47.4と、2010年1月以来4年5カ月ぶりに10地域中の1位となった。
規模別では、大企業が同0.7ポイント増の50.0。中小企業が同0.1ポイント増の45.4。中小企業のうち、小規模企業が前月と同水準の45.0。大企業、中小企業とも3カ月ぶりに改善したが、特に中小企業で原材料や電力などコスト上昇分の販売価格への転嫁が進まず、景況感はわずかな回復にとどまった。
現在の景況感として、旅館からは「東南アジアからの旅行者や国内のビジネス需要が活発」とのコメントが寄せられている。