帝国データバンクが全国企業に行った今年2月の景気動向調査によると、同月の景気動向指数(景気DI=0〜100、50が判断の分かれ目)は26.7で、前月比1.6ポイント増加した。増加は2カ月連続。外需の増加で製造業が景気底入れ後の最高を記録するなど景気の回復局面もみられるが、リーマン・ショック前の水準には回復せず、「内需は弱く、本格回復には程遠い局面が続くとみられる」(帝国データバンク)としている。
調査は全国の企業2万1750社に行った。有効回答1万624社で回答率48.8%。
DIを10業界別にみると、製造、小売、サービスなど8業界が改善した。製造は28.2で、前月比1.6ポイント増。中国などアジアを中心とする好調な外需や政策的な内需の下支えがあり、機械製造などの分野で改善した。
小売は同0.8ポイント増の26.7。家計支援や低価格戦略による需要の取り込みなどで家電・情報機器小売や各種商品小売などの分野で2カ月連続で改善した。リコール問題のあった自動車・同部品販売は悪化した。
建設は同1.5ポイント増の22.5。2カ月連続で改善した。ただ、10業界別で8カ月連続の最低を記録。民間設備投資の抑制や公共事業の削減傾向が影響している。
地域別では、2カ月連続で全10地域が改善した。南関東は同1.8ポイント増の27.9。リーマン・ショック前の08年8月以来18カ月ぶりに全10地域の中で最高となった。好調な外需によって機械や化学関連を中心に着実に改善したほか、小売、サービスなど内需関連業界も他地域より堅調だった。
東海は同1.3ポイント増の25.6。リコール問題の影響で輸送用機械・器具製造などで悪化したが、建設、小売など内需関連業界が全国平均より低水準ながら改善した。
企業の規模別では、大企業が27.9、中小企業が26.3で、ともに前月から1.6ポイント増加。小規模企業は24.0で、同1.4ポイント増加した。2カ月連続で全規模が改善したが、大手の低価格戦略の広がりやコスト削減による下請けへの影響などもあり、小規模企業は伸び悩んだ。
景気予測DIは、1カ月後が27.5、3カ月後が29.1、6カ月後が30.2。