帝国データバンクが全国企業に行った景気動向調査の昨年12月分によると、同月の景気DI(0〜100、50が判断の分かれ目)は前月比0.2ポイント増の35.7で、2カ月ぶりに改善した。震災の復興需要の増加で宮城、福島県など東北地方で建設業を中心に企業活動が活発化。ただ、個人消費は弱く、外需も欧米景気の停滞で力強さがみられないとして、国内景気は依然、踊り場局面が続いているとしている。
DIを業界別にみると、サービス、建設、小売など6業界が改善、製造など3業界が悪化、卸売が同水準だった。
サービスは前月比0.1ポイント増の38.3。10業界中で最高値だった。このうち旅館・ホテルは同0.1ポイント増の35.2。震災後の4月に10.1と大きく落ち込んだが、徐々に回復して7月から6カ月連続で30台を維持している。このほか娯楽サービスが同2.1ポイント減の32.6。飲食店が同0.1ポイント減の32.8。
建設は同0.6ポイント増の33.5。復興需要の増加に加え、全国的な省エネ、耐震需要も持続していることから8カ月連続で改善した。ただ、投資が東日本に集まり、西日本の回復は遅れる傾向にあり、全体としては低水準が続いている。
小売は同0.5ポイント増の34.0。歳末需要で生活必需品に底堅さがみられ、2カ月ぶりに改善した。ただ、製造業に比べると低い水準が続いており、内需の回復に力強さがみられない。
製造は同0.1ポイント減の36.3。欧米景気の停滞や円高の長期化、タイの洪水被害などで鉄鋼、機械、電機、自動車関連業種が軒並み悪化し、2カ月連続で悪化した。
地域別では、東北など4地域が改善、近畿など5地域が悪化、東海が同水準だった。
東北は同0.9ポイント増の40.3。復興需要の増加で8カ月連続で改善し、4カ月連続の地域別1位となった。
県別では、宮城県が同0.9ポイント増の50.5と、47都道府県中、5カ月連続のトップとなった。福島県は同2.4ポイント増の42.4で、宮城に次ぐ第2位。岩手県は同1.1ポイント増の40.1で、第5位だった。