火山の爆発でできたカルデラ(火山の火口周辺にできた窪地地形)を自然遺産として生かした観光振興を考える全国カルデラサミットが8月30日、山形県大蔵村、肘折温泉の肘折いでゆ館で開かれた=写真。主催は肘折温泉郷振興(木村裕吉社長)。カルデラの活用策を考えようと、県内外から関係者ら約70人が参加した。
ティー・ゲートニューツーリズム事業部の大谷晴信部長(近畿日本ツーリスト地域誘客事業部課長)が、カルデラなどの地形を生かした観光振興の取り組みをテーマに基調講演した。大谷氏は「新しい観光の概念として平和産業、地域産業、経験産業としての観光(交流)」の三つの例を挙げ、「人を生かした着地型観光商品の開発」の重要性を強調した。
湯沢市ジオパーク(秋田県)、磐梯山ジオパーク(福島県)、隠岐世界ジオパーク(島根県)の代表者らによるパネルディスカッションも開催。自然遺産を有機的に結びつけて教育、ツーリズムに利用しながら地域の持続的な観光振興に生かす方向性などで意見交換した。