別府杉乃井ホテル(大分県別府市)はこのほど、人材不足の解消など働き方改革の一環として、来年1月15日から10日間連続して休業すると発表した。従業員全員が長期休暇を取得し、人材確保につなげる。また、休業中は希望者による5日間の海外研修旅行や風呂、プールなど館内のメンテナンスを行う。
連続休業について、ダイレクトマーケティング部の東健治部長は「業界は人が集まりにくい状態にある。良い人材を獲得し、長く働いてもらうためには給与だけでなく、休める環境が必要だ。現在は、月9日間の休日をローテーションで回しているが、人が集まらない一番大きな理由である休暇の改善に取り組んだ。10日間の休業は今年から始めたが、従業員のモチベーションアップ、サービス向上につながっている。正月、正月明けの連休が終わり一段落するところで実施し、お客さまに迷惑を掛けずに行う」と説明した。
連休による損失は数億円を計上するとのことだが、来春採用活動では、新卒の応募者が前年比1.5倍に増えるなど、4月から50人以上の採用者を迎え、効果が出ている。
休暇中に実施される海外研修旅行は、希望者を対象に8年前から海外で実施している。
同ホテルは、従業員数約800人。647室の客室を設けるほか、別府市街地や別府湾が一望できる展望露天風呂「棚湯」などの施設を備える。年間宿泊者数は約70万人、客室稼働率はここ数年99.8%に達している。