企業のBCP、低水準ながらも増加 策定への意識高まる

  • 2020年7月8日

 帝国データバンクはこのほど、事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査を行った。BCPを策定している企業割合は前年調査比1.6ポイント増の16.6%。「現在策定中」(同2.4ポイント増の9.7%)と「策定を検討している」(同3.4ポイント増の26.6%)を合わせると52.9%で過半数に達し、調査を開始して以降最も高い数値となった。

 BCPを「策定していない」が前年に続き最も多く39.4%だが、前年比5.9ポイント減少した。

 BCPを策定している企業割合を9の業界別に見ると、金融が42.1%と最も高い比率だった。次いで、農・林・水産28.6%、製造19.6%、サービス18.6%、小売17.2%、運輸・倉庫15.9%―など。最下位は不動産の10.4%だった。

 規模別では、大企業が30.8%と最も高く、次いで中小企業13.6%、小規模企業7.9%と、企業規模が小さくなるにつれて、BCPを策定している企業の割合が低下した。

 企業からは「2019年に自然災害が多発したことで、ユーザーからの要求で作成した」(鉄鋼・非鉄・鉱業)、「今回の新型コロナウイルスの感染拡大で、改めて平時において検討しておくことの重要性を認識した」(電気メッキ)などの声が挙がり、自然災害や新型コロナウイルスによるリスクが顕在化し、BCP策定への意識が高まりを見せている。

 BCPを既に策定、または策定を検討している企業に、どのようなリスクにより事業継続が困難になると想定しているか複数回答で聞いたところ、地震、風水害、噴火などの「自然災害」が70.9%(同1.6ポイント減)で最も高いものの、インフルエンザ、新型ウイルス、SARSなどの「感染症」が69.2%、同44.3ポイント増と急増した。以下は「取引先の倒産」(同8.7ポイント増の39.0%)、「取引先の被災」(同1.6ポイント減の31.7%)、「火災・爆発事故」(同3.5ポイント減の31.0%)、「設備の故障」(同10.3ポイント減の30.6%)、「物流の混乱」(同1.0ポイント減の30.5%)など。

 BCPを策定または策定を検討している企業に、事業が中断するリスクに備えてどんなことを実施または検討しているか、複数回答で聞いたところ、「従業員の安否確認手段の整備」(同4.9ポイント減の67.3%)、「情報システムのバックアップ」(同8.9ポイント減の52.6%)、「緊急時の指揮・命令系統の構築」(同0.7ポイント減の46.5%)などが上位に挙がった。また、コロナ禍での在宅勤務の推進を背景に、「多様な働き方の計画」が40.4%で続いた。

 BCPを策定していない企業に理由を複数回答で聞いたところ、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」(同2.0ポイント減の41.9%)、「策定する人材を確保できない」(同5.0ポイント減の28.7%)、「書類作りで終わってしまい、実践的に使える計画にすることが難しい」(同0.7ポイント増の28.6%)など前年同様の理由が上位に挙がり、BCP策定に向けた課題の解決が進んでいない実態がうかがえた。

 特に中小企業からは「BCPの重要性は十分理解できるが、日々の稼働が大切で策定する余裕がない」(一般貨物自動車運送)、「あれば良いと思うが、さまざまな場合を想定し、あらかじめ策定する余力がなく、発生後状況に合わせ可能な対応をせざるを得ない状況(貸事務所)、「必要とは考えているが作成のノウハウがない」(医療用機械器具卸売)など、BCPの必要性を感じながらも策定の難しさを指摘する声が多く挙がった。

 
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