企業の7割、事業承継を経営上の問題と認識


 帝国データバンクはこのほど、事業承継に関する企業の意識調査を行った。それによると、企業の約7割が事業承継を経営上の問題と認識。事業承継を実施した企業の約3割で5年後の業績にプラスの影響が出ていることが分かった。

 事業承継についてどのように考えているか聞いたところ、71・1%が経営上の問題と考えているとした。内訳は、「経営上の問題のひとつとして認識している」が57・5%、「最優先の経営上の問題と認識している」が13・6%。
 このほか「経営上の問題として認識していない」が18・2%、「分からない」が10・8%。

 「最優先の経営上の問題―」とした企業からは「中小企業の事業承継ほど困難な課題はない。経営を良くしていけばいくほど株価は上昇し、後継者がこれを引き継ぐ手立てが失われている」「業績の良い時代に事業承継を済ませておくべきだった」「会社の存続発展は地域経済全体の課題として考えるべきで、経営者だけのものではない」などの意見があがっている。

 事業承継を進めるための計画の有無は、「計画はない」が29・1%と最も多かった。以下、「計画があり、進めている」が22・9%、「計画はあるが、まだ進めていない」が21・3%など。計画がある企業は合計44・2%。「すでに事業承継を終えている」企業は14・2%と1割超だった。

 「すでに事業承継を終えている」企業に、承継が行われた翌年度と5年後に、自社の業績にどのような影響を与えたかを尋ねたところ、翌年度では「影響はなかった」が55・9%と最も多かった。以下は「プラスの影響があった」が26・0%、「マイナスの影響があった」が9・3%、「分からない」が8・8%。

 一方、5年後では「影響はなかった」が36・8%、「マイナスの影響」が4・9%と、翌年度に比べそれぞれ19・1ポイント、4・4ポイント低下。半面、「プラスの影響」が30・8%と、4・8ポイント上昇した。

 企業からは「速やかに事業承継をしたほうが会社の業績が上がる」「事業承継の社内への影響は大きい。特に、次代の社長と従業員の距離感は難しく、しっかりしたブレーンがいない状態では、新社長が孤立した状態からスタートしてしまう」「前任者の功績が大きければ、引き継ぎ後の業績が下がるのは避けられない。そのことをどのように捉えるかによって、引き継ぎ方法も変わってくる」などの意見があった。

 「事業承継を円滑に行うためにどのようなことが必要か」(複数回答)では、「現代表(社長)と後継候補者との意見の共有」が60・4%と最も多かった。

 以下は「早期・計画的な事業承継の準備」(46・3%)、「経営状況・課題を正しく認識」(45・7%)、「早めに後継者を決定」(42・7%)、「今後の経営ビジョンを持つこと」(35・0%)など。

 
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