Booking.comは10月9日、APACにおける複数世代での家族旅行の最新動向を発表した。人気の目的地1位は東京、5位は大阪だった。
<主な調査結果>
●複数世代での家族旅行のメリットとして「家族の絆を深め、共通の思い出を作ること(47%)」「めったに会えない家族と一緒に過ごすこと(39%)」「あらゆる年齢層向けの多様なアクティビティを楽しめること(34%)」が挙げられています。
●一方、複数世代での家族旅行を複雑にする要因として「安全性や健康に関する懸念の高まり(30%)」「興味対象の不一致(30%)」「食事のニーズが多岐に渡ることの難しさ(28%)」が挙げられています。
●複数世代での家族旅行の人気の目的地として、1位に「東京」、5位に「大阪」がランクインしました。トレンドの目的地は「浦安」が1位、続いて「アヨーディヤー(インド)」「ウルワツ(バリ島)」など、新たな興味深いスポットも浮上しています。
【2024年10月9日、日本発表】
「すべての人に、世界をより身近に体験できる自由を」を企業理念に、多種多様な宿泊施設や旅ナカ体験、旅行中のシームレスな移動手段を提供する世界最大級の宿泊予約サイト Booking.comは、アジア太平洋地域(APAC)における複数世代での旅行についての最新調査「Gen.Voyage!」の結果を発表しました。本調査では、日本を含むAPACの11の国・地域の8,000人を超える旅行者を対象とする調査データをもとに得られた洞察を紹介しています。このような調査はAPACでは初めて実施され、祖父母、両親、子ども、その他の親戚がレジャー・観光目的で一緒に旅行をする「複数世代での旅行」の最新動向について分析しています。
■家族旅行の新しいあり方
APACでは、多世代が同居する家庭は、世界平均よりも43%多くなっています。大家族での生活を重視する文化は、家族旅行へのアプローチの仕方にも大きく影響しています。また、共有された家族の価値観や家族同士の密接な関係は、旅行内容の決定に影響します。今回、ブッキング・ドットコムが行った調査の目的は、世代を超えた家族のエネルギーが旅行における動向や意思決定に与える影響を理解することであり、特にこの地域において関連性の高い、旅に対するアプローチについて新たな洞察をもたらしました。
複数世代での旅行は、家族の距離を縮めます。本調査では、47%のAPACの旅行者が、複数世代での旅行のメリットとして「愛する人との絆を深め、共通の思い出を作る機会を得ること」を重視することがわかりました。また、39%が「めったに会えない家族と一緒に過ごすこと」、27%が「さまざまな世代の価値観を学べること」、26%が「子どもに、親以外のお手本となる人物と過ごす機会を与えること」にメリットを感じています。
■すべての世代が楽しめる旅行の計画
経験豊かな祖父母たち、エネルギー溢れる子どもたち、時に気分屋のいとこなども交えた複数世代での旅行では、全員が満足する旅行を計画することは簡単ではありません。家族はしばしば「安全性や健康に関する懸念の高まり(30%)」「興味対象の不一致(30%)」「食事のニーズが多岐に渡ることの難しさ(28%)」といった問題に向き合うことになります。また、「エネルギーレベルやスタミナのバランスを取ること(27%)」や、「家族間のギャップやペースへの対処(25%)」によって旅行はさらに複雑化する場合があります。
旅行を成功させる秘訣は、世代を超えて共感できる体験を作り出すことです。4分の1を超える家族(27%)が「親族会などの再会の場や、記念日のお祝いなど特別な行事」のために旅行することを楽しんでおり、家族皆で集まる特別な機会と捉えています。また「親族を訪問すること(21%)」も、絆を深め現地の文化に触れる機会として好まれています。その他の旅行中の過ごし方として、「食事を楽しむこと(21%)」や「観光(20%)」も、家族そろって新しい文化や食に触れる機会として人気があります。
多くの場合、家族旅行の計画を立てる際に主体となるのは、テクノロジーを駆使するミレニアル世代です。ミレニアル世代の48%が、旅行手配時に計画を立てる中心の役割を担っています。しかし、それだけではなく、Z世代も関与を強く希望しており、47%が旅程計画に参加して好みに合わせたアレンジをしています。一方、ベビーブーム世代は見守る立場にいることが多く、約4分の1(23%)が計画をほかの人に任せ、関与しません。
旅行日数については、大半の家族連れが4日間から6日間が最適だと考えています。これは十分にくつろぐことができ、旅の疲れが出るほど長くはない期間です。旅行を予約するタイミングについては、意外なことに、直感的に行動する家族が多くみられます。約半数(51%)の旅行者が「旅行の当日まで1ヶ月を切った、直前での予約」について抵抗がないことがわかりました。この傾向は6日間以上の長期旅行でも見られ、40%が1ヶ月未満での予約をしていました。
宿泊施設の選択は、家族ごとにさまざまです。依然として「ホテル」の人気は高く(49%)、次に好まれる宿泊施設として「リゾート」が続きます(36%)。また、ユニークな宿泊先も人気が高まっています。25%が「文化を感じられる旅館やハノック(韓国の伝統的家屋) 、ヴィラ、貸別荘、ツリーハウスなど」に魅力を感じており、その土地の雰囲気を感じ、地域的な体験ができる旅行を期待しています。いずれのタイプの宿泊施設でも、実用面の検討は最も重要です。宿泊施設を選ぶ際に考慮する点には、「価格が手頃であること(41%)」、「観光スポットへ近いこと(29%)」、「あらゆる世代や食事のニーズに対応した施設内レストラン(27%)」が上位に挙げられています。
■家族連れの心をつかむ目的地
家族旅行での目的地を決める際に優先することとして、「安全性とセキュリティ(46%)」、「料金の手頃さとコストパフォーマンス(39%)」、「全世代向きのアクセシビリティ(30%)」が上位を占めたことは、当然の結果といえるでしょう。「環境面でのサステナビリティに関する取り組み(13%)」や「文化を味わう体験(13%)」も評価されていますが、上位には及ばない結果となりました。
旅行者の42%は、移動距離が短く、現地の習慣に精通しているという利点から、国内の旅行先を好んでいます。一方、39%は海外旅行で刺激を得ることを望んでおり、新しい文化との出会いや未知の体験を求めています。
目的地の中には、文化的魅力、多様なアクティビティ、家族連れに優しいアメニティといった複合的な理由から、特に家族旅行での人気が高まっている目的地があります。ブッキング・ドットコムのプラットフォーム上の検索データに基づく、APACの家族連れに人気の目的地ランキングは以下の通りです。
※1 ブッキング・ドットコムでの検索数に基づいて、2024年に最も人気の高い場所と特定された、複数世代での家族旅行の目的地を特定したものです。
※2 ブッキング・ドットコムでの、2023年から2024年までの検索数の前年比の変化を分析することで、複数世代での家族旅行のトレンド目的地を特定したものです。このランキングにより、新たな関心が浮かび上がっています。
ブッキング・ドットコムのアジア太平洋地域担当マネージング・ディレクターであるローラ・ホールズワースは、次のように述べています。「アジア太平洋地域(APAC)のファミリー層は、今までより一層に複数世代での旅行を通じて、家族間のつながりを深めたり、一緒に思い出を作ったりする機会を大切にしています。このトレンドを反映する形で、ブッキング・ドットコムの最新の調査では、多様なニーズのバランスを取ることや新しい目的地に挑むことなど、家族が複数世代での旅行をするにあたってのユニークな取り組み方が明らかになりました。本調査の結果発表を通じて、ファミリー層の旅行者たちをブッキング・ドットコムや旅行業界全体で考えるヒントとなり、また私たちの描くミッションの’すべての人に世界をより身近に体験できる自由を届ける’ことの実現を進めてまいります」
この調査は、グローバルな消費者調査プラットフォームのGWIと共同で作成されました。
調査の詳細とレポートの全文については、下記をご覧ください。
調査方法
本調査は、ブッキング・ドットコムとGWIが共同で実施し、複数世代での旅行に焦点を当て、APACの旅行者に関する包括的な視点を提供するものです。GWIのオンライン調査データとブッキング・ドットコム独自の検索分析を統合することで、カスタマイズされた調査データ、グローバルなシンジケート調査結果と、さらに自社検索データを組み合わせることで、旅行者に関する独自の洞察を得ることが可能となりました。
本レポートは主に、GWIがブッキング・ドットコム専用に作成したカスタムリサーチから抽出したデータを参照しています。APACの11の国・地域(オーストラリア、中国、香港、インド、日本、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾、タイ、ベトナム)の、16〜64歳のインターネットユーザーを対象としたオンライン調査です。
ブッキング・ドットコムのデータは、2024年1月1日から3月31日までの間に、APACの11の国・地域(オーストラリア、中国、香港、インド、日本、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾、タイ、ベトナム)の旅行者がブッキング・ドットコムのプラットフォーム上で行った検索に基づいています。当該検索のチェックイン日は、2024年4月1日から12月31日までを対象としたものです。
人気の目的地は、2024年の検索数に基づいて特定されました。また、トレンドの目的地は2023年から2024年までの検索数の前年比の変化を分析して特定され、データの有意性と整合性を確保するために、フィルターを適用して前年の検索数が500件未満の都市は除外されています。さらに、追加データとして、16~64歳のインターネットユーザーを対象とした代表的なシンジケート調査であるGWI Coreと、16~64歳の旅行者を対象に、体験を左右する要素について調査するGWI Travelの調査結果が統合されています。