京都府は10月29日、修学旅行などで宿泊した食物アレルギーのある子どもに対し、アレルギーの原因となる食材を除去した食事を提供できる府内の旅館・ホテル90施設を初めて公表した。府は4月、アレルギーのある子どもの対応マニュアルの運用を始めており、府健康対策課によると、アレルギーの子どもを受け入れる体制を本格整備した都道府県は京都が最初と説明している。
府は昨年度、アレルギーのある子どもが安心して府内の宿泊施設を利用できるよう、体制整備に取り組み、今年度から「食物アレルギーの子 京都おこしやす事業」として本格運用を始めた。全国の都道府県教委と旅行会社に同事業開始を通知し、安全な修学旅行先として取り組みをPRしている。
府の調査に対し、90施設は「食物アレルギー対応食」として、国が特定原材料として定めている卵や牛乳、小麦、そば、落花生、エビ、カニの7品目を除去した食事提供が可能と回答した。
府内を訪れるアレルギーのある子どもの保護者は、府が用意する調査票に記入し、学校を通じて宿泊施設に提出する。施設は、調査票を基に食事を提供する。調査票は旅行会社にも渡される。
90施設という数について府は「旅行会社からは『少ない』との指摘もあったが、初年度としてはまずまず。今後増えていくと思う」(同課)と話している。受け入れ施設の名称は府ホームページで公表している。
府は宿泊施設や施設に食材を納入している業者に対しても、食物アレルギーについて専門知識を持つ相談員が相談に応じる専用窓口を設置している。