帝国データバンクによると、さくら観光(京都府伊根町)は、3月1日に京都地裁から破産手続き開始決定を受けていたことが判明した。
同社は1994年4月に設立。舟屋で有名な伊根町内で温泉旅館「桜泉閣」の経営をしていた。同旅館は客室15室を有し、敷地内にはテニスコートを設置して近隣旅館との差別化を図り、松葉ガニと伊根ブリを使った各コース料理が好評だった2007年3月期には年収入高約1億1500万円を計上した。
しかし、その後は周辺温泉地との競争激化により宿泊客は低迷。設備投資資金を借り入れで賄っていたことで金融負担は重く収益面も低調に推移していた。
このため、リピート客獲得や経費削減などによる業況改善を図っていたものの、20年以降、新型コロナウイルス感染拡大の影響により宿泊客は大幅に減少。事業継続を断念し、今回の措置となった。
負債は推定4億円。