京王電鉄は1月26日、2021年度省エネ大賞を受賞した。
省エネ大賞は国内の事業者や事業場等において実施した他者の模範となる優れた省エネ取り組みや、省エネルギー性に優れた製品並びにビジネスモデルを表彰する制度です。
今回三者では、夏季に多くの電力を消費する地下駅の空調設備に着目し、調布駅をモデルケースにホーム・コンコース環境の最適化を図りながら運用改善を行うことにより大幅な省エネルギー化(2020年度年間電力削減量約912千kWh・一般家庭約238世帯分)を実現しました。
鉄道事業における駅舎管理において、安全を確保しつつ、エネルギーの無駄を分析し、大きな投資なしに改善に結びつけた先駆的な取り組みが高く評価され、今回の受賞となりました。
また、調布駅での成果を参考に、2021年度には活動の駅を新宿駅などを含む計4駅に拡大しています。三者は、持続可能な社会の実現のため、今後もさらなる省エネルギー化を推進し、環境負荷の低減に努めてまいります。
詳細は次ページのとおりです。
1.省エネ大賞概要
(1)主催:一般財団法人 省エネルギーセンター
(2)後援:経済産業省
2.受賞項目および応募テーマ
受賞項目 :省エネ事例部門・輸送分野 経済産業大臣賞
応募テーマ:「運用改善サイクルの高速化による地下駅空調設備の省エネ活動」
3.取り組み概要、省エネ効果
当社の鉄道事業部門における消費電力のうち本取り組みの対象5駅(すべて地下駅)が約8%、他64駅の消費電力が約12%となっており、1駅あたりで比較すると地下駅では照明、空調、換気等により多くの電力を消費しています。
対象5駅の年間消費電力は約21,850千kWh、一般家庭約
5,700世帯分であることから、特に消費電力が大きい地下駅
の空調設備に着目し、調布駅をモデル駅とした省エネ活動に取り
組みました。
〈概要〉
(1)省エネ効果の見える化
地下駅構内の空調を従来通り運用した場合の日ごとの消費電力量を、気温や湿度、平日休日の混雑傾向など変動条件を組込んだ独自の分析方法により算出し、運用改善中の空調の消費電力量との差を見える化しました。
これにより駅構内のCO2濃度など環境の安全性を確保しつつ、省エネ効果を高める空調運用を短期間で模索し、大きな省エネ成果を獲得しました。
(2)空調・換気設備の運用
主に夏季期間の空調運用について、室温設定を一定とする運用から、室温設定を段階的に調整する運用に変更しました。これは気温の上昇に伴うお客さまの服装の変化など季節感を反映したものです。
また、冷房効率を高めるため取入れる外気量や送風機の回転数を低減するなど、運用改善をしました。
〈省エネ効果〉
2020年度の調布駅の年間電力削減量として約912千kWh(一般家庭約238世帯分)を達成しました。
2021年度は調布駅の他、新宿、国領、布田駅でも実施し、4駅合計で年間約4,679千kWh(一般家庭約1,221世帯分)を削減達成見込みです。
※2017年度1世帯当たり年間電気消費量・関東甲信地域:3,833kWh(環境省ホームページより)