京王電鉄、2019年度の鉄道事業設備投資に総額297億円  インバウンド対応も


 京王電鉄、2019年度の鉄道事業設備投資に総額297億円をあてる。インバウンド対応も進める。

京王電鉄株式会社(本社:東京都多摩市、社長:紅村 康)では、京王グループ理念である『信頼のトップブランド』の確立を目指し、「住んでもらえる、選んでもらえる沿線づくり」を進めています。鉄道事業においては、お客様や沿線にお住まいの方に信頼され、愛される鉄道になるため、「安全性の向上」や「サービスの向上」に取り組んでいます。
2019年度は、9月に開催されるラグビーワールドカップ2019TM などの国際的なスポーツイベントに向け、駅ホームの整備や防犯対策のほか、安全性やサービスのさらなる向上を目指して、総額297億円の設備投資を行います。
【主な取り組み】
1. 安全性の向上
(1)京王線(笹塚駅~仙川駅間)連続立体交差事業
(2)ホーム安全対策
(3)駅や車両・踏切における防犯対策など
(4)耐震補強
(5)自然災害対策
2. サービスの向上
(1)国際的なスポーツイベント対応(飛田給駅・新宿駅)
(2)インバウンド対応
(3)5000系車両の増備
(4)車両のリニューアル
(5)車内液晶ディスプレイの2画面化
3. 環境対策 ・その他
(1)VVVFインバータ制御装置の更新
(2)照明の省エネルギー化
(3)駅舎補助電源装置の増設
(4)鉄道現業施設の環境改善
1. 安全性の向上
(1)京王線(笹塚駅~仙川駅間)連続立体交差事業
事業主体である東京都および世田谷区・渋谷区・杉並区とともに、京王線(笹塚駅~仙川駅間)連続立体交差事業を実施しています。2019年度は、工事に必要な用地取得を進めるほか、昨年度から着手した鉄道工事について、高架橋の基礎杭工事などを実施します。
この事業が完了すると、笹塚駅から仙川駅間の約7.2km が高架化され、25箇所の踏切が廃止されます。これにより、道路と鉄道それぞれの安全性が向上するほか、交通渋滞の解消や、鉄道によって分断されていた地域の一体化が図られます。

《事業区間の縦断図》《事業区間の縦断図》

(2)ホーム安全対策
お客様のホームからの転落やホーム上での列車との接触事故を未然に防止するため、各種安全対策を実施します。
① ホームドア
飛田給駅でホームドア設置を進めます。
② 転落防止固定柵
仙川駅・分倍河原駅・橋本駅ホームの一部に転落防止固定柵を設置します。
③ その他
ホームと車両の隙間対策として転落防止ゴムを京王稲田堤駅1番線に設置するほか、ホーム縁端部の視認性向上を目的として、計12駅に注意喚起ラインを施工します。

《転落防止固定柵(設置例 東府中駅)》《転落防止固定柵(設置例 東府中駅)》

《注意喚起ライン(設置例つつじヶ丘駅)》 《注意喚起ライン(設置例つつじヶ丘駅)》

《転落防止ゴム(設置例 聖蹟桜ヶ丘駅)》《転落防止ゴム(設置例 聖蹟桜ヶ丘駅)》

 

 

(3)駅や車両・踏切における防犯対策など
① 駅:飛田給駅などにおいて、防犯カメラの増設や更新を実施します。
② 車両:京王線・井の頭線に車内防犯カメラを設置するほか、全編成に前方監視カメラの設置を推進します。

③ 踏切:42ヶ所の踏切道に監視カメラを設置します。これにより、新宿駅~高幡不動駅間全ての踏切道に監視カメラの設置が完了します。また、踏切内の異常を検知する踏切障害物検知装置の整備を引き続き実施します。

(4)耐震補強
大規模地震に備えて鉄道施設の耐震性を向上させるため、高架橋や盛土区間、トンネル部(新宿駅~笹塚駅間)などの耐震補強工事や、コンクリート製の電力柱を鋼管柱に更新する工事を引き続き実施します。

《高尾線 線路脇斜面の防護》《高尾線 線路脇斜面の防護》

2. サービスの向上
(1)国際的なスポーツイベント対応(飛田給駅・新宿駅)
ラグビーワールドカップ2019TM などの国際的なスポーツイベントに向けて、新宿駅や渋谷駅などで実施してきた駅やホームの整備を引き続き実施します。2019年度は東京スタジアム(味の素スタジアム)および武蔵野の森総合スポーツプラザの最寄り駅である飛田給駅の改修工事や新宿駅新線口において、旅客トイレの改修工事や、改札外の段差解消用としてエレベーターの新設工事を進めます。

《新宿駅新線口改札 旅客トイレ改修 エレベーター新設》《新宿駅新線口改札 旅客トイレ改修 エレベーター新設》

(2)インバウンド対応
訪日外国人のお客様の受け入れ環境整備として、各種施策を実施します。
① 駅などにおける多言語による情報提供の拡充
新宿駅の行先案内盤および各駅に設置されたお客様案内ディスプレイ、ならびにホームページについて、平時・異常時情報の多言語案内を拡充します。

《多言語対応のお客様案内ディスプレイ(イメージ)》《多言語対応のお客様案内ディスプレイ(イメージ)》

② 車両装置の英語対応
英語に対応した車内自動放送装置の導入を進めます。2019年度は、京王線8000系の2編成(16両)、井の頭線3編成(15両)に導入します。
③ トイレの改修
若葉台駅で旅客トイレの改修工事を進めるほか、各駅において、和式便器の洋式便器化を引き続き実施します。

(3)5000系車両の増備
座席指定列車「京王ライナー」のさらなる運行拡大を目指して、5000系車両を新たに1編成(10両)増備し
ます。

《5000系車両》《5000系車両》

(4)車両のリニューアル
車体改修にあわせ、車いす・ベビーカースペースを全車両に拡大します。2019年度は、京王線8000系の3
編成(26両)、井の頭線1000系の3編成(15両)の工事を実施します。

《井の頭線1000系リニューアル》《井の頭線1000系リニューアル》

(5)車内液晶ディスプレイの2画面化
車内ドア上に液晶ディスプレイを2画面設置し、運行案内およびニュースや天気予報などのコンテンツ、交通広告を放映します。2019年度は井の頭線1000系の3編成(15両)の工事を実施します。

《2画面化したドア上の液晶ディスプレイ ㊧コンテンツ、㊨運行案内》《2画面化したドア上の液晶ディスプレイ ㊧コンテンツ、㊨運行案内》

3. 環境対策・その他
(1)VVVFインバータ制御装置の更新
2015年度から導入を開始した、より省エネ性能の高いVVVFインバータ制御装置への更新を行い、運転用電力を削減します。2019年度は、京王線8000系3編成(26両)、井の頭線1000系3編成(15両)の工事を実施します。

《8000系車両の消費電力削減効果(1編成あたり)》《8000系車両の消費電力削減効果(1編成あたり)》

(2)照明の省エネルギー化
駅構内の照明や車両前照灯のLED化を推進します。2019年度は、京王八王子駅や稲城駅などのホーム・コンコース照明、京王線8000系13編成(26両)のLED化工事を実施します。
(3)駅舎補助電源装置の増設
車両がブレーキをかけたときに発生する回生電力を、鉄道施設内の設備で利用可能とする駅舎補助電源装置を若葉台車両基地に設置します。

(4)鉄道現業職場の環境改善
駅係員や技術系係員が使用する施設の改修を行います。明大前駅や高尾駅で係員の宿泊施設の改修を行うほか、技術系係員の事務所の建替えや若葉台工場内の施設更新を実施し、社員が働きやすい職場環境を整備します。

 
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