九州(山口県下関を含む)と韓国を結ぶ旅客定期航路の2011年度の旅客輸送実績は、前年度に比べて15.2%減の93万8千人となった。国土交通省九州運輸局が22日に発表した。東日本大震災や原発事故の影響を受けて、韓国人旅客が大きく落ち込んだ。日本人旅客は、夏場以降の円高ウォン安に伴う旅行需要の増加などもあったとみられ、前年度の実績を上回った。
実績の調査対象となる旅客定期航路は、下関〜釜山、下関〜光陽、博多〜釜山、対馬(比田勝、厳原)〜釜山の4区間。外国船社を含めた7社がフェリーや高速船を運航している。
11年度は、震災などの影響で上半期が37万6千人となり、前年度の上半期に比べて33.3%の減少となった。上半期としては、SARS(重症急性呼吸器症候群)が発生した03年度以来、8年ぶりに40万人を割り込んだ。
一方で下半期は3.5%増の56万2千人。1999年度以降の統計で過去2番目に多い実績となった。
年間の旅客実績を国籍別にみると、韓国人が前年度比26.9%減の57万9500人、日本人が同16.1%増の34万345人、その他が10.5%減の1万7820人だった。