主要温泉・観光地GWの入込、10連休の効果は抜群 観光経済新聞調査


観光客らでにぎわう羽田空港のロビー(6日)

 最大で10連休となった今年のゴールデンウイーク(GW)。観光経済新聞社が全国の主要温泉・観光地に期間中の入り込み状況を聞いたところ、ほとんどが前年同期を大きく上回り、旅館も最終日を除き、ほぼ満室と盛況だった。

 北海道の網走市では、おおむね天候に恵まれ、桜が満開になった。市観光協会によると、市内の宿泊施設の宿泊者数、観光施設の来場者数は全体として前年の約1.5倍という。

 昨年9月の北海道胆振東部地震の後は入り込みが落ち込んだが、「ふっこう割」の効果、3月の「ふっこう割」終了後の誘客対策などで4月の入り込みも前年を上回っていた。

 GW後の集客は、流氷明けの海の幸、アウトドア・アクティビティなどが目玉に。5月19日にはイベント「春カニ合戦」を開催し、認知度が高まっている旬の味、毛ガニなどを味わってもらう。

 福島市の土湯温泉は、福島県内、関東方面からの旅行者を中心ににぎわった。土湯温泉観光協会によると、5月2日ごろまでは各宿泊施設ともに満室のようだったという。同協会が運営する道の駅の店舗の飲食、物産の売り上げも前年の約2割増だった。

 東日本大震災で被害を受けた土湯温泉では地域の再整備が進み、廃業旅館を活用した新たな観光施設、観光交流センター、まちおこしセンターが完成。オープンを受けて5月24~26日に「土湯温泉復興祭」と銘打ったイベントを開催し、地域の新たな魅力をアピールする。

 年間300万人以上が訪れる群馬県の草津町。草津温泉旅館協同組合によると、GWの宿泊客は13万人に迫る勢いで、「前年比16%増の2桁アップと大盛況だった」。前年と比べ、客室稼働率は4ポイント上昇し、1日平均500人以上増えたという。

 4月27日と5月6日は若干落ちたが、満遍なく入り、終日にぎわいを見せた。予約も早い時期から入り、キャンセルが出てもすぐ埋まる状況だった。草津白根山の噴火の影響もなく、10連休の効果が抜群だったという。

 長野県阿智村の昼神温泉郷は、おおむね好天で花桃が満開となり、「花桃の里花桃祭り」に多くの人出があった。阿智昼神観光局によると、GW期間中の宿泊施設は、入り込みに谷間ができることもなく、ほぼ満館だったという。

 今年の営業が4月13日に始まった「天空の楽園 日本一の星空ナイトツアー」も引き続き人気。ゴンドラの乗車待ち時間の解消や周辺道路の渋滞緩和を目的に、日時指定・事前予約のオンラインチケット制を今年から導入し、GWにも効果が出ているが、夏のピーク期に効果を改めて検証したい考えだ。

 岐阜県下呂市の下呂温泉は、期間中の人出が「お祭りのようだった」(下呂温泉旅館協同組合)という。準備した臨時駐車場も満車。宿泊実績は集計中の調査結果を今後分析するが、5月4日まではいずれの宿泊施設もほぼ満室だったとみている。

 GW以降の誘客に向けて同組合では、5月7日から7月31日まで「特選宿泊プラン」と題したキャンペーンを今年も展開し、平日を含めた集客強化に取り組んでいる。

 和歌山県の白浜温泉。同温泉旅館協同組合によると、GW期間中の宿泊は「5月6日を除き、ほぼ満室。今までにないぐらいの入り込みだった」。組合加盟24軒で前年が約3万7千人泊のところ、今年はそれを5千人以上上回った。

 神戸市によると、同市のGW10日間の主要観光施設(37施設)の利用者数は前年比18.5%の伸び。そのうち有馬温泉は同35.5%増の5万1909人。日帰り温泉施設「金の湯」は同32.3%増の2万527人。

 島根県の玉造温泉旅館協同組合は、組合加盟16施設で「5月6日を除き、ほぼ空きがない状況」。1日に10件程度、空室の問い合わせがあったという。「例年はキャンセルが発生し、数部屋が空くことがあるが、今年はほとんどなかった」。

 道後温泉旅館協同組合(松山市)は、加盟施設30軒の入り込みが「連休の10日間、全て満館」。こちらも空室の問い合わせが例年以上に多かったという。

 長崎県雲仙市の雲仙温泉では、旅館ホテル組合加盟の12軒が5月4日まで満館。「5、6日に余裕があった」(同温泉観光協会)状況だ。

 熊本県の黒川温泉観光旅館協同組合によると、温泉街の案内所での入湯手形やグッズの売り上げはGW期間中に前年同期比約2倍。5月1日と4月28、30日は3倍を超えた。

 町が昨年、温泉街の入り口に約200台を収容する駐車場を新設したが、「入りきれなくなるほど」(同組合)の盛況だった。

 大分県の別府市旅館ホテル組合連合会は、「今年は例年と違い、連休の前半、5月1日前後の予約から入りだした。トータルすると前年の約1.5倍の入り込み。今年は4月30日から5月2日までの3日間も休みになったので、その分がプラスになった」と分析している。

【取材班】


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