香川県丸亀市と静岡県西伊豆町は8日、雑貨や名産品を販売する日本百貨店(東京都港区・鈴木正晴社長)と連携し、地域の食材を使った飲食店「日本百貨店さかば」を東京・丸の内にオープンした。1企業2自治体の広域連携事業で、地域の特産品の首都圏販路の拡大を目指す。
店舗は、両自治体、日本百貨店が費用を分担してオープン。地域の食材を店舗に卸し、メニューとして提供することで、地域の食材やアンテナショップとして観光地などの魅力をPRする。メニューでは、両自治体の食材を中心に使うほか、写真入りで地域の見どころや生産者の紹介などを行う。
オープニングレセプションでは、日本百貨店の鈴木社長が「いいものがあるのに来てもらえない、分かってもらえない、食べてもらえないという課題が地方にはある。実際に食べてもらいファンになってもらいたい」とあいさつ。
丸亀市の梶正治市長は「食、自然などなんでもあるが、特色が出せずにいる。販路は東京任せ、工夫が足りないことが課題。三位一体で新しいものを生み出して生産者の新しい展望を開き、後継者につながる事業としたい」と期待した。
西伊豆町の星野淨晋町長は「西伊豆、丸亀のいいものを東京中心に発信したい。地元にいなければ、分からない感覚を東京の人に感じてもらい、『丸亀、西伊豆に行きたい』と言ってもらえるようにしたい」と意気込みを語った。
両自治体が提携する日本百貨店は、上野の「日本百貨店」や秋葉原の「日本百貨店しょくひんかん」など首都圏に7店舗を展開する。日本百貨店さかばは同社の初の飲食事業。今後は、他の自治体との企画メニューなども予定している。