帝国データバンクによると、観光バス運行の中部観光サービス(沖縄県豊見城市)は9月28日までに事業を停止し、自己破産申請の準備に入っていたことが判明した。負債は約2億7千万円。沖縄県内で新型コロナウイルスの影響を受けた倒産は6件目(11月24日時点)。
同社は2013年10月に合同会社中部観光サービスの商号で設立。沖縄県内の旅行代理店などを得意先として観光バスを運行し、16年3月期には年収入高約2億9600万円を計上した。18年10月に株式会社に組織変更し、ホテル運営会社の傘下に入った。19年8月には那覇空港から瀬長島までの区間を定期的に運行する路線バス事業を開始していた。
しかし、同業他社との競合が激化する中で大口得意先との取引がなくなり、19年3月期の年収入高は約1億3千万円にダウン。赤字で債務超過状態にあった。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で収入高が激減。6月には代表が全株式を買い取ったほか、8月に県外バス業者に路線バス事業を譲渡するなど立て直しを図ったが、先行きの見通しが立たなくなり今回の事態となった。