中小企業景況感、改善も震災懸念


 中小企業庁はこのほど、中小企業景況調査の今年1〜3月期分を公表した。同期の中小企業の業況判断DIはマイナス26.3で、前期から1.6ポイント改善した。マイナス幅が縮小するのは8期連続。同庁では中小企業の業況は「引き続き持ち直しの動きが見られる」としながらも、「小売業、サービス業でマイナス幅が拡大するなど、依然として厳しい状況にある」と指摘。さらに「東北地方太平洋沖地震の影響が懸念される」としている。

 調査は3月1日、全国の中小企業1万8990社に行い、このうち1万8238社から有効回答を得た。なお、同月11日に発生した東日本大震災の影響は反映されていない。

 業況判断DI(前期比で好転とする企業割合から悪化とする企業割合を引いた値、季節調整値)はマイナス26.3で、前期のマイナス27.9から1.6ポイント改善。来期(4〜6月期)はマイナス23.4で、今期から2.9ポイント改善する見通し。

 業種別では、製造業がマイナス16.1で、前期比6.2ポイント改善。非製造業がマイナス29.8で、前期と変わらなかった。来期見通しは、製造業がマイナス16.2で今期から0.1ポイント悪化。非製造業がマイナス25.9で、同3.9ポイント改善。

 非製造業のうち、サービス業はマイナス27.1で、前期比0.5ポイント悪化。このうち飲食・宿泊業はマイナス34.9で、同3.6ポイント悪化した。来期見通しは、サービス業全体がマイナス20.7で、今期から6.4ポイント改善。飲食・宿泊業がマイナス24.1で、同10.8ポイント改善。

 非製造業では、小売業のDIも悪化。前期比1.8ポイント悪化のマイナス36.6だった。建設業、卸売業はそれぞれ前期から2.0ポイント、5.4ポイント改善した。

 業況判断DIを8地域別にみると、九州・沖縄のみ前期比悪化した。サービス業は関東、中部が改善し、ほかの6地域は悪化した。

 都道府県別では、岩手、福島、栃木、埼玉、富山、石川、兵庫、和歌山、鳥取、島根、高知、福岡、長崎、宮崎の14県で悪化した。

 
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