日本政策金融公庫は5月28日、中小企業景況調査報告の今年5月調査分を公表した。それによると、同月の中小企業の売上DI(前月比で増加とする企業割合から減少とする企業割合を引いた値、季節調整値)はマイナス23.9で、前月から0.7ポイント低下した。これで、23カ月連続のマイナス値となった。同公庫では中小企業の景況を「一部に下げ止まりの動きがみられるものの、基調としては悪化が続いている」とする前月の判断を据え置いた。
調査は3大都市圏の同公庫取引先900社(首都圏454社、中京圏140社、近畿圏306社)に行った。有効回答数は573社で、回答率63.7%。
売上DIは昨年11月、前月のマイナス17.0からマイナス31.4へ大幅に悪化。今年2月(マイナス44.6)まで、4カ月連続で悪化した。ただ、3月にマイナス42.7、4月にマイナス23.2と、引き続きマイナス値ながら好転の兆しがみえはじめてきた。
最終需要分野別でみると、乗用車関連が12.7で唯一のプラス値となった。このほか、家電関連がマイナス19.6、食生活関連がマイナス20.7、建設関連がマイナス31.1、衣生活関連がマイナス38.5、設備投資関連がマイナス40.1──など。乗用車関連と衣生活関連が前月から好転したが、その他は悪化した。
今後3カ月の売上見通しDIはマイナス9.4で、前月のマイナス18.4から9.0ポイント、マイナス幅が縮小した。ただ、11カ月連続でマイナス値が続いている。
最終需要分野別では、乗用車関連の32.2を筆頭に、食生活関連(8.1)、家電関連(5.2)の3業種がプラス値を見込んでいる。全業種の利益額DIはマイナス30.8で、前月のマイナス36.6から5.8ポイント、マイナス幅が縮小したものの、23カ月連続でマイナス値が続いている。