日本政策金融公庫の全国中小企業動向調査の今年7〜9月期分によると、従業者20人未満の小企業と従業員20人以上の中小企業の景況は、ともに持ち直しの動きがみられるとして、前回調査の「悪化」から判断を上方修正した。ただ、小企業では来期の業況判断DIが今期から悪化する見通しで、「先行きは懸念される」(同公庫)としている。
小企業(従業者20人未満。飲食店・宿泊業、卸売業、小売業は10人未満)の今期の業況判断DI(よいとする企業割合から悪いとする企業割合を引いた値)はマイナス42.7で、前期(今年4〜6月期)のマイナス48.4から5.7ポイント、マイナス幅が縮小した。縮小は3期ぶりとなる。
8つの業種別では、サービス業を除く7業種でマイナス幅が縮小した。このうち飲食店・宿泊業はマイナス50.1で、前期のマイナス64.4から14.3ポイント、マイナス幅が縮小した。ただ、前期に続き、8業種中で最も低い数値となった。
来期(今年10〜12月期)の業況判断DIは、全業種で今期比4.0ポイント悪化のマイナス46.7。8業種すべてが今期から悪化する見通しだ。このうち飲食店・宿泊業は今期比4.2ポイント悪化のマイナス54.3。
一方、中小企業の業況判断DI(前年同期比で好転とする企業割合から悪化とする企業割合を引いた値。季節調整値)はマイナス14.7で、前期のマイナス24.8から10.1ポイント、マイナス幅が縮小した。
業種別では、飲食宿泊業がマイナス30台で、前期のマイナス60台から大幅に好転したものの、他業種に比べ、依然低い水準にとどまっている。
来期の見通しは、全業種で今期比0.3ポイント好転のマイナス14.4。このうち飲食宿泊業も今期からやや好転する見通しだ。