中堅・航空会社の経営状況、増収が8割占める


 帝国データバンクはこのほど、LCC(格安航空会社)など国内の中堅・新興航空会社18社の経営実態調査を行った。2012年度の収入高は、8割が前年から増収。ただ、約2割が最終赤字を計上した。LCC3社の中では、ピーチ・アビエーションが堅調に収入を伸ばす一方、ほかの2社は苦戦するなど、「格差が鮮明となっている」。

 2012年度の収入高を前年度と比較可能な15社でみると、増収が12社で、構成比80.0%。減収が3社で、同20.0%だった。「国内線、国際線ともにビジネス需要やレジャー需要が増加し、旅客数が堅調に推移したことや、アベノミクス効果で円安が進み、海外からの観光客が増加したことも航空業界に追い風となっている」(帝国データバンク)。

 一方、損益動向は、2012年度の損益が判明した17社でみると、黒字が13社で、構成比76.5%。赤字が4社で、同23.5%。2012年に就航を始めたLCCは3社とも赤字を計上した。

 LCC3社の比較では、関西国際空港を拠点とするピーチ・アビエーションが実質稼働1年目で収入高約143億8700万円(当期純損失約12億900万円)を計上。「価格面にシビアな関西圏の利用者を獲得したほか、24時間運航が可能で、着陸料も安い関西空港を拠点としたことが奏功し、コスト削減と搭乗率の向上につながっている」(同)。

 一方、成田空港を拠点とするエアアジア・ジャパン(収入高約34億6700万円、当期純損失約36億4100万円)は「東京多摩地区や神奈川県、埼玉県から成田空港まで遠く、交通費の割高さに加え、成田空港は夜11時から朝6時まで発着できない規定があり、機材を効率的に運航させられなかったことも収益を悪化させる要因となった」。

 ジェットスター・ジャパンは業績が非開示だが、「拠点である成田空港からの利用者が伸び悩むほか、関西国際空港の拠点化が延期となったことで赤字幅が拡大し、数十億円にのぼる大幅赤字が見込まれている」としている。

 
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