
日本政府観光局(JNTO)が発表した2023年6月の訪日外国人旅行者数(推計値)は207万3千人となった。コロナ禍からの回復が進み、20年1月以来、3年5カ月ぶりに200万人台を回復した。コロナ前の19年同月に対する回復率は72.0%で、訪日団体観光などが再開されていない中国を除くと93.3%まで回復した。23年1~6月累計の訪日外国人旅行者数も1千万人を突破した。
6月の訪日外国人旅行者数は、22年同月比では1621.6%増と約17倍に増えた。韓国、台湾などが堅調に回復しているほか、米国、豪州、シンガポールなどが19年同月を上回る旅行者数となった。国際定期便の運航便数も、23年夏ダイヤの時点でコロナ前の約6割を回復し、その後もアジアを中心に増便、復便が続いている。
訪日旅行の動向について観光庁の髙橋一郎長官は7月19日の記者会見で、「堅調に回復してきている。国・地域別に見ると、韓国からの訪日が22年10月以降、一貫して最多。米国はコロナ前を大幅に上回っている。一方でコロナ前の訪日が最大だった中国は24%の回復率にとどまっている。ただ、中国からは航空便の増便などで個人での観光客は増えている」と説明した。
国・地域別に見ると、東アジアでは、韓国が54万5千人で19年同月比の回復率は89.1%となった。航空路線では、仁川―大分、仁川―新千歳、清州―関西などの増便、復便があった。台湾は端午節の祝日もあり、19年同月比84.4%に当たる38万9千人となった。
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