中国人の訪日個人観光ビザ(査証)の申請受け付け数は、観光庁によると、7月28日現在、1138人に達した。7月1日の受け付け開始以来、順調に申請数を伸ばしている。
新型インフルエンザに伴う旅行自粛ムードが残る中で、1週間当たり約200〜350人のペースで申請されている。2000年9月に始まった団体観光ビザの訪日数が最初の4カ月間で1026人だったことと比較しても好調なペースだ。
観光庁の本保芳明長官は、7月29日の定例会見で「順調な滑り出し。中国国内での関心も高い」と述べ、引き続きプロモーションを強化していく考えを示した。
個人観光ビザの申請者の居住地のおおまかな割合は、上海が5割、北京が3割、広州が2割。訪問先は東京周辺が中心だという。すでに訪日した個人観光客から失踪者は出ていない。
運用の細部改善 検討の余地も 帰国確認業務
中国の個人観光客に対しては、帰国時に日本の旅行会社による確認が必要。旅行会社からは人員の空港への配置に負担が大きいとの指摘も出ていることについて、本保長官は「1年間を試行期間として、関係省庁間で合意した制度」と大幅な改善には慎重な姿勢を示したが、個人観光客のさらなる増加も見込まれることから、「運用の細部の改善で対応が可能であれば、検討していきたい」と述べた。
また、日系旅行会社を含めた外資系旅行会社が中国人の海外旅行を取り扱うことを制限した中国の規制について、本保長官は「よりよい訪日旅行商品を提供するため、いろいろな機会を捉えて規制緩和を働き掛けている」と説明した。