中国の旅行業者、日本の温泉に注目


 中国の旅行会社は日本の温泉に期待──。日本政府観光局(JNTO)は24日、訪日旅行を取り扱う中国の主要な旅行会社を対象に実施したアンケート調査の結果を公表した。期待できる訪日旅行のテーマとして最も多かった回答は「温泉」だった。一方、販売を強化する目的地は、主要な観光地を巡りながら東京〜大阪間を横断する「ゴールデンルート」に続き、北海道、沖縄が支持を集めた。

 JNTOの北京、上海、香港の各事務所が今年2、3月に調査した。対象は訪日旅行を取り扱う115社。地区別の内訳は華北27社、華東36社、華南40社、内陸部12社。

 「今年期待できる訪日旅行のテーマ」を複数回答で聞いたところ、全体の63%が温泉を挙げた。2位は「ショッピング」で59%だった。以下は桜の花見が56%、スキー・雪遊びが50%、秋の紅葉が48%、美食が46%、マンガ・アニメが44%などだった。

 期待のテーマには温泉のほか、桜や雪、紅葉など日本ならではの季節感のある観光資源が多くの支持を集めた。特に紅葉についてJNTOは「国慶節(10月上旬)と春節(旧暦の元旦)の間の閑散期に訪日旅行に出掛ける人の増加に伴って新しい魅力として注目されている」と指摘した。

 「今年販売に力を入れたい目的地」を聞くと、ゴールデンルートが87%で最多。続いて北海道が71%、沖縄が67%、東京が33%、関西が27%、九州が23%、その他が10%。沖縄が上位に入った要因には、沖縄への滞在が発給要件となる個人観光数次査証(ビザ)が導入されたことも影響しているとみられる。

 しかし、「今年人気となる海外旅行の目的地」を聞いた設問では、日本を挙げた回答は45%で5位にとどまった。1位は米国・カナダで70%、2位はビーチリゾートで69%、3位は台湾で67%、4位は欧州で64%だった。

訪日数見込みは 10年水準下回る
 中国の旅行会社に、今年の中国からの訪日旅行者数の予測も聞いた。その結果、過去最高だった2010年の水準を上回らないとする回答が57.3%を占めた。理由には「地震や放射能汚染への懸念」「日中関係の不安定要素」などが挙げられた。10年の訪日旅行者数と「同水準」は30.5%、10年の水準より「増加」は10.5%だった。

 一方、増加している訪日個人観光の取り扱いについては、「今後積極的に取り組む予定がある」と回答した旅行会社が全体の98.3%を占め、個人観光の増加が見込まれる結果となった。

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第37回「にっぽんの温泉100選」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 1位草津、2位下呂、3位道後

2023年度「5つ星の宿」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第37回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2023 年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月22日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒