観音温泉(静岡県下田市、鈴木和江社長)は、天道流合気道「天道館」(東京都世田谷区、清水健二管長)の世界セミナー合宿を全館貸し切りで受け入れた。欧州を中心に世界20カ国から250人が参加した。
ドイツ、スロベニア、ベルギー、オーストリア、フランス、デンマーク、イタリア、スイス、ロシア、米国、カナダ、メキシコ、シンガポールなどから集まった参加者たちは18日に大型バスを連ねて観音温泉に到着。3泊4日の日程で、旅館に併設された武道場で稽古に励んだ。温泉、飲泉、手巻き寿司(ずし)パーティー、バーベキューなども堪能した。21日の最終日には、八芳園(東京都港区)に移動し、天道館設立50周年記念祝賀会を300人で開いた。
観音温泉は、高級温泉旅館のイメージが強いが、先代社長が武道家だったため、120畳の武道館・体育館、ウェイトリフティングトレーニング場、ボクシングリングを備えている。各種スポー合宿も数多く受け入れている。
天道館は40年以上にわたり毎年、観音温泉で合宿を実施。例年の参加者数は国内外から120人ほどだが、今年は天道館設立50周年ということもあり、250人が参加した。3分の2が欧州を中心とする海外からの参加者だ。
天道館は、合気道の開祖・植芝盛平翁の最後の内弟子だった清水管長が独立して設立。海外に4千人の弟子がいて、海外道場は100以上ある。今回の世界セミナーには、主に海外道場の指導者クラスが集結した。
清水管長は、観音温泉で毎年合宿を行っている理由について、「下田にありながら山の中という自然環境に加えて、泉質も参加者に評判が良い。今回参加者の2~3割はリピーター」と話す。
清水管長は、「長年にわたり、ドイツをはじめとする欧州諸国で合気道の紹介、普及と後進の育成に努め、日本と諸外国との文化交流と友好親善に多大な貢献をした」として2002年に外務大臣表彰を受けている。
今回の合宿には清水管長の弟子の一人、俳優・歌手の武田鉄矢さんも参加。八芳園の祝賀会では歌声を披露した。
欧州を中心に250人が参加した
観音温泉武道場