世界かんがい施設遺産に日本の4施設を登録


世界かんがい施設遺産の登録が決まった北楯大堰

 農林水産省によると、国際かんがい排水委員会(ICID、本部=インド・ニューデリー)は13日、カナダ・サスカトゥーンで開いた国際執行理事会で、「世界かんがい施設遺産」に日本の4施設を登録することを決めた。これにより、国内の登録は計35施設となる。観光資源としての活用を模索する自治体も少なくない。

 新たに登録されたのは北楯大堰(山形県庄内町)、五郎兵衛用水(長野県佐久市)、大和川分水築留掛かり(大阪府柏原市・八尾市・東大阪市)、白川流域かんがい用水群(熊本県熊本市・菊陽町・大津町)。これら4施設は、ICID日本国内委員会が5月に遺産候補としてICIDに申請していた。

 北楯大堰は1612年に供用開始され、かんがい面積2880ヘクタール、水路延長4.9キロの規模。
 1601年に狩川城主に赴任した北館大学助利長(きただてだいがくのすけとしなが、1548~1625年)が困窮した領民を救うために作った農業用水路で、地域の農業を中心とした経済発展と農村形成に大きく貢献した。

 また、五郎兵衛用水は上野国(現群馬県)出身の市川五郎兵衛真親(1571~1665年)が進めた新田開発。蓼科山の湧水を水源に、特殊な工法や高度な測量技術を用い、全長約20キロの用水を引いた。

 同遺産は、歴史的なかんがい施設の保全を目的に、ICIDが認定・登録する制度で、2014年度に創設された。かんがい農業の発展に貢献した水路や堰などが対象で、建設から100年以上の施設に限られる。

 国際的に価値の高さが認められた同遺産だが、やや地味な印象が拭えず、観光資源としてどう生かしていくのか、自治体などの手腕が問われる。


世界かんがい施設遺産の登録が決まった北楯大堰

 
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