帝国データバンクによると、今年度上半期(今年4〜9月)の全国企業倒産(負債1千万円以上の法的整理)は5439件で、前年同期比5.0%減少した。3年連続の前年同期比減で、前期比でも4.7%減少した。負債総額は1兆7076億6500万円で、前年同期比9.4%減と、過去10年で最少となった。
件数を業種別にみると、7業種中5業種で前年同期比減少した。特に建設業(1382件、同11.6%減)と製造業(733件、同10.5%減)が2ケタの大幅減となった。
建設業は東北を中心に減少し、2006年度上半期以来、11期ぶりに1400件を下回った。製造業は機械器具製造などの分野で減少が目立った。
サービス業は1019件で、同3.8%減少。卸売業(800件、同3.5%増)と不動産業(183件、同10.9%増)の2業種は増加した。
地域別では、9地域中8地域で前年同期比減少した。東北は181件で、同21.6%減。県別では岩手と福島、業種別では建設で大幅に減少した。
四国(95件、同13.6%減)も2ケタ減少した。
北海道は205件、同24.2%増と唯一、前年同期を上回った。内需低迷を受け、卸売と小売を中心に増加。中でも食料品関連の増加が目立った。
規模別では、負債5千万円未満の小規模倒産が2791件、構成比51.3%と過半数を占めた。
負債100億円以上の大型倒産は14件。前年同期の10件から増加したが、依然として低水準が続いている。
負債総額は、上半期としては2年連続の前年同期比減で、過去10年で最少を記録した。
金融円滑化法利用後の倒産は184件判明。前年同期比104.4%増と、ほぼ倍増した。
同期の負債額トップは、消費者金融のクラヴィス(大阪府)の3268億8700万円。2位は三光汽船(東京都)の1558億7400万円。観光関連では、元.温泉旅館経営の花巻管理(岩手県)が負債54億円で特別清算。元.旅館経営のさくら管財(兵庫県)が同47億1900万円で特別清算となった。