帝国データバンクによると、今年上半期(1〜6月)の全国企業倒産(負債1千万円以上の法的整理)は5760件で、前年同期比1.5%減少(86件減)した。東北が金融支援や復興需要で大幅に減少。業種別では建設や製造業が2ケタ減となった。ただ、負債総額は3年ぶりに前年同期比増加した。
倒産件数を地域別にみると、9地域中5地域で前年同期比減少した。特に東北が166件、同32.5%減と、大幅に減少。半期ベースで過去10年で最小となった。県別では宮城県、業種別では建設が大幅に減少した。このほか関東、中部、中国、四国でも減少した。
半面、九州(398件、同10.9%増)、北海道(205件、同9.0%増)など4地域は前年同期を上回った。小売・サービス業などの倒産増加が目立った。
業種別では、7業種中3業種で前年同期比減少した。このうち建設業(1377件、同10.3%減)と製造業(742件、同12.6%減)は10%以上の2ケタ減となった。卸売業、小売業など4業種は増加。サービス業(1121件)は3.3%増加した。
負債5千万円未満の小規模倒産は3014件で、半期ベースでは過去10年で初めて3千件を上回った。2010年6月の改正貸金業法完全施行後、零細企業の資金調達環境が悪化したこともあり、小規模倒産は増加基調をたどっている。負債100億円以上の大型倒産は18件で、3年ぶりに前年同期を上回った。
負債総額は1兆9982億9700万円で、前年同期比23.0%増加。
負債トップはエルピーダメモリ(2月、会社更生法)の4480億3300万円。負債1千億円以上の倒産は同社と太平洋クラブ(1月、民事再生法)の2件にとどまる。