三重県桑名市は知名度アップを狙い、東京・新橋に「東京PR事務局」を開設した。5月28日には日本橋の三重テラスで報道関係者向け説明会を開き、伊藤徳宇市長が抱負と今後の展開などについて考えを述べた。
同市は2014年度を「ブランド元年」と位置付けており、全国的な知名度を高め、誘客につなげるには首都圏への情報発信が不可欠として事務局を置くことにした。組織改正も行い、広報広聴課を廃止し、ブランド推進課を4月1日付で新設している。
事務局は日本地域広告会社協会内に置いた。協会は地方自治体向けに「自治体情報発信支援プロジェクト」に取り組んでおり、「第1弾が桑名市になる」と協会の寺坂秀之事務局長。協会スタッフが常駐し、メディアなどの問い合わせなどに対応する。
伊藤市長は「桑名には全国に誇れる資源がたくさんある。これらを生かして誘客や物産販売などを促進したい」と事務局活動に期待した。
市の名物といわれるハマグリ。一時は獲れなくなったものの「関係者の努力により漁獲量は年間200トンまで回復した」と市長。安売りはせず、ブランド品としてハマグリ料理を提供していくという。
日本一のイルミネーションといわれるなばなの里、大型リゾート施設・ナガシマスパーランドのほか、国の重要文化財で鹿鳴館を設計した建築家、ジョサイア・コンドルによる六華苑、七里の渡など見どころも多い。また、「日本一やかましい祭り」といわれる石取祭はユネスコの無形文化遺産登録を目指している。来年5月30日には「全国山鉾サミット」も開催される。
市出身の声優で歌手の小松未可子さん(25)はなばなの里のイルミネーションの美しさや長嶋温泉のたんぽぽラーメンのおいしさを強調し、「ぜひ足を運んで」とアピールした。
市は、県内では伊勢神宮のある伊勢地方と肩を並べる誘客を誇っており、年間の観光客は1千万人という。
市をPRする伊藤市長(左)と声優の小松さん。中央はイメージキャラのゆめはまちゃん