
新ホテルの完成イメージ図
岩手県陸前高田市の休業中のホテル「キャピタルホテル1000」を再建するため、三菱商事と三菱商事復興支援財団は8月16日、同財団が再建事業支援として1億円を拠出することを発表した。同社が東日本大震災の被災地支援のため、今年3月に設立した同財団の産業復興支援の第1号案件となる。
同ホテルは7階建てで、市内唯一のホテルとして市の象徴的存在だったが、東日本大震災の津波で建物が全壊し、休業を余儀なくされた。
同ホテルの再建は地域経済復興に不可欠と考えた同社と財団は、気仙沼信用金庫と協力して再建に当たることになった。
建設地は海岸線から2キロ、現在の場所から約700メートル離れた高台。新ホテルは鉄骨3階建て、客室数40室で最大80人の宿泊が可能。約8億円の再建費用は、財団の出資金と、国の補助金、同信金の融資などで賄う。同財団は出資による配当金を全額、市に寄付する方針。
ホテルは来年6月に再開業の予定。これに合わせて20人程度の従業員を雇用する。元従業員のほか、地元の高卒生も採用する方針。
市では、復興事業に当たる作業員やボランティアの宿泊ニーズが高く、さらに、市民の冠婚葬祭需要もあり、新ホテルの再開業は地元の経済復興の象徴として期待されている。

新ホテルの完成イメージ図