一休決算、純利は6%増の8億円


 一休の10年3月期(09年4月〜10年3月)の純利益は、前期比6.0%増の8億2千万円だった。宿泊サイトのシステムリニューアルに伴う法人税額の減少などから最終利益が前期によりも増加した。営業収益は同5.2%増の27億9千万円と増加したものの、新システム導入のためのシステム関連費などの増加から、営業利益は同6.8%減の12億8300万円、経常利益は同7.1%減の13億1700万円だった。

 営業収益の内訳は、サイト運営手数料収入が前期比6.4%増の26億5900万円、広告収入、その他は同14.6%減の1億3100万円。

 一休.comの状況は取扱高が前期比1.4%減の309億円、取扱室数は同7.3%増の132万室で過去最高。1室当たりの平均単価は、同8.1%減の2万3060円。「取り扱い室数は伸びたものの、1室の単価の下落を補い切れず、取扱高が減少した」(森正文社長)。サイト運営手数料は同3.3%増の24億9100万円だった。

 次期(10年4月〜11年3月)の業績予想は、営業収益が前期比18.2%増の32億9700万円、営業利益が同20.8%減の10億1600万円、経常利益が同21.4%減の10億3500万円、純利益が同26.8%減の6億円。中長期的成長の実現のための積極的な費用投入により、営業費用が拡大、一時的な減益を予想している。

 取扱室数は約164万室、客室1室当たりの単価は2万1288円と予想。一休.comの販売取扱高は、350億円、手数料収入は28億9500万円を見込む。

2010年は「攻めの1年」 森社長
 決算説明会で登壇した森社長は、12年度の営業利益目標21億円の達成に向け、10年度を「攻め、投資の1年」と位置付けることを強調した。営業費用をかけた販売促進キャンペーンの積極的な展開や新サービスの開始に加え、社内人員の拡充なども進め、成長戦略を推進する。

 一休.comについては、この3年ほぼ横ばいの300億円前後で推移してきた販売取扱高を、約14.9%増の350億円まで伸ばす。また宿泊サイト10周年を記念するキャンペーンを実施し、キャンペーン費として3億2千万円を投入。サイトの認知度向上と利用拡大を図る。外資系高級ファッションブランドの広告掲載なども本格的に始める予定だ。

 4月15日に始めた、プレミアムな宿泊特化型ホテルの予約サイト「一休.comビジネス」では、航空券とのパッケージ商品も夏前に販売を始め、夏需要の取り込みにつなげる。夏以降にはモバイル版サイトの設置も予定し、新たな顧客層取り込みの起爆剤としたい考えだ。

 
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