22年を未来構築元年へ
コンサルタントのリョケン(佐野洋一社長)はこのほど、「令和4年 旅館の経営指針」を発表した。「未来構築元年~変革へのかじ取り~」をテーマに、コロナ後の未来を見据え22年を未来構築元年と位置づけ、それに向けての施設方針を提言している。膨大な「指針」の中から、今回のテーマ「未来構築元年~変革へのかじ取り~」の項の一部を紹介する。
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コロナ禍の宿泊業をめぐる状況を踏まえながら、22年を、未来(10年先をイメージする)を見据え、構築(枢要な部分を変革し、築き直す)していく元年と位置づけ、変革のかじ取り(バランスコントロール)についてふれていきたいと思います。背景として、
(1)国内旅行は縮小に向かう(市場が縮小し、供給がそのまま残るなら、競争のし烈化が予想されます)
(2)人材確保難が加速する(労働力市場も需要が供給を上回れば「価格」が上昇する、つまり賃金水準が高まります)
(3)社会全体が高付加価値化を目指す
(4)デジタル化がいっそう進んでいく
(5)テクノロジーの加速で進む「破壊」「非収益化」「非物質化」(破壊…既存の商品、サービスなどの破壊、非収益化…製品などに掛かっていたコストの消失、非物質化…製品そのものの消失)
(6)メインチャネルはネット(OTAだけでなく、市場からの情報発信、市場へのアプローチなども含む)
を大局的に踏まえておきましょう。
未来構築の方向性について、その根幹となるのは「高収益経営」です。昨年の指針でも同トピックについての考え方を記しましたが、本年は高い粗利益率実現のための「高料金化戦略」について、昨年とは異なる観点から3点付加します。
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