メインバンクからの借り入れ、希望通りにはいかず


 メインバンクから希望通り借り入れできた小企業が減少──。日本政策金融公庫がこのほど発表した調査の結果で、このような実態が明らかになった。都市銀行、地方銀行、信用金庫の3業態のうち規模が大きいメインバンクほど希望の借り入れが難しいという。

 調査は、業種別に従業員数10人以下または20人以下(飲食店・宿泊業は10人以下)の同公庫取引先1万社を対象に12月中旬に実施した。有効回答は6749企業。

 最近1年間のメインバンクからの借り入れ状況をみると、「希望通り借り入れできた」企業は29.7%で、前年の07年調査の33.6%に比べて3.9%低下した。一方、「減額された」は3.8%から5.5%へ、「拒絶された」は2.0%から3.4%へ、「融資を断られるかもしれないと思い申し込まなかった」は7.0%から8.3%へと、いずれも増加した。

 メインバンク業態別での「希望通り借り入れできた」割合は、都市銀行では20.5%、地方銀行では29.7%、信用金庫では33.4%と規模が大きい業態ほど低い。逆に「借入する必要がなかったので申し込まなかった」割合は、それぞれ60.9%、54.0%、49.2%と高くなった。

 借入金が1年前と比べて「増加した」企業は1.9%増の20.2%で、この調査が開始された2001年以来、初めて2割を超えた。「減少した」企業は0.2%減の55.6%だった。

 借入金残高の認識については、「過大」と考えている企業が前年調査より1.4%増加して36.0%に。「過小」は0.5%減少の6.5%だった。

 今後1年間の借入金残高の方針については「減らす」が5.5%減の62.6%、「増やす」が2.8%増加の6.9%となっている。

 同公庫は「景気後退の影響で資金繰りが厳しくなったことから、借入金残高が過大だと考えているものの、借入を増やさざるを得ない状況がうかがえる」と示す。

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第37回「にっぽんの温泉100選」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 1位草津、2位下呂、3位道後

2023年度「5つ星の宿」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第37回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2023 年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月22日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒