日本を代表する加賀温泉郷の名門旅館「ホテル百万石」(不動産管理会社・北国リゾート)が大口債権者(北国銀行が45億円の債権など)から破産手続き開始を金沢地裁に申請されたことがこのほど明らかになった。
ホテル運営は、別会社の百万石アソシエイト(戸田賢治社長)が権利を持っており、同社は「不動産管理会社が破産手続きに入っても、運営権は当社にある。あくまで営業を続ける」としている ホテル百万石の経営状況については、かねてから融資金の元利金返済を巡り、とかく話題となっていた。大口債権者との間で折衝が続けられていたもののついに破産申請という形になった。
北国銀行の債権を株式会社ユニット(昨年7月に資本金1万円で設立し)が買い取り、最大の債券者として破産申請したものだ。
運営する百万石アソシエイトは、不況の中で今期は黒字を確保。社員や関係先に対し、経過を説明し、営業を継続する意向を伝えている。
これまでの経緯は、業界内で銀行が不良債権の処理をする場合の複雑な絡み(図表を書いても分かりにくい)と同じパターン。業界内では「債権を安く買収して、安売り競争を展開するところ(2つのグループ)が伝統文化などを無視して秩序を乱している」として対応に苦慮しているが百万石の経緯に金融庁も首を傾げて実態究明に乗り出しているようだ。