ホテルオークラ(東京都港区)は3月26日、企業の総務、秘書などを対象にしたお別れ会のセミナーを開いた。故人を送る「お別れ会」を同ホテルで実施してもらおうと企画。出席者は担当者からの説明を受けた後、約1500人規模の会を想定した式典会場の見学や祭壇への献花などの体験を当日をイメージしながら行った=写真。
ホテルオークラの小川矩良社長は冒頭のあいさつで「ホテルでのお別れ会は10年ほど前から増加傾向にある。近年では地方での開催もみられるようになった」と指摘。東京では高級外資系ホテルの進出がほぼ出そろい昨秋からの景気後退により厳しい経営を強いられているが、「30年前からお別れの会を行ってきた」(小川社長)実績を生かして宴会部門の活性化、顧客サービスの強化していくことを強調した。
ホテルでのお別れ会開催のメリットは(1)天候に左右されない(2)車両誘導、VIP接遇、クローク係などはホテル専門スタッフが行うため社員動員が最小限で済む(3)費用項目が明確──の3点。特にオークラでは車周りの良さが強み。
600台以上の駐車スペースと六本木、赤坂など所轄の警察と連携した周辺道路の交通整備や特別な呼び出しシステムを使うため「移動のスムーズさは都内のホテル随一」(望月康彦・営業統括部支配人)という。同セミナーでは、お別れ会の近年の傾向や注意点についても説明した。