開湯約120年の歴史があり、2021年には命名100周年を迎えた層雲峡温泉(北海道上川町)。新型コロナウイルス禍で苦しい状況が続く中、(1)団体から個人へ(2)日帰り客の取り込み(3)訪日外国人の富裕層の再来―を視野に入れ、一部の宿泊施設が果敢にリニューアルを実施している。
ホテル大雪は7月、東館1階の売店スペースを改装し、「大雪ベーカリー・カフェ&バー」をオープンした。
木枠で囲まれた開放的な空間で、店内ではクロワッサンやバゲットなど約20種類の手作りパンやオリジナルコーヒー(550円)、ハーブティーなどを販売。夜はクラフトビールやワインなどのアルコールも提供する。
同時期に創作料理レストラン「イナンクル」もオープン。イナンクルは幸せ、幸あれの意味で、水のしたたる音や風に吹かれた木々、光のコントラストなど、層雲峡の大自然の中で食事をしているようなムードを演出している。
テーブルと小上がりの2タイプの部屋があり、部屋をつなげることでグループでの利用にも対応可能。二つのコース料理を提供する。
層雲閣グランドホテルから名称変更した層雲閣は、エントランスロビーの改装やオープンキッチンの設置、9階客室フロアの内装や家具をリニューアル。
ロビーはブラウンを基調に、山岳リゾート施設を意識した空間とし、オープンキッチンでは焼きズワイガニや揚げたての天ぷら、牛肉の鉄板焼きなど和洋中、山海の幸などバラエティーに富んだメニューを提供。
9階の客室8室はプチぜいたくを味わいたいカップルや夫婦の利用を想定。例えば、和洋タイプのラグジュアリールームは67平方メートルで、大型ソファや座敷を配し、ゆったりと寛げる滞在を提供する。
木枠で囲った大雪ベーカリー・カフェ&バー
落ち着いた雰囲気のイナンクル
層雲閣のオープンキッチン(上)と山岳リゾートの雰囲気を漂わせるエントランスロビー